2013年3月10日日曜日

旅の7つ道具(あきらの場合)




「何を持って行くか?」という自身への問いは、旅行者が出国を控え必ず向き合わざるを得ないテーマの1つだ。

結論から述べれば、旅の荷物に関して、僕は「オールオアナッシング派」である。そんな派があるのか知らないが、なければ僕が提唱しよう。

僕自身は旅の途中「荷物は必要ない(ナッシング)」と感じる瞬間が多かった。


特にナミビアから南アまでの荒野でチャリダーしていた時のことだが、「パソコンもカメラも全部なくなったって、おれの旅は変わらないのだ」と何度も何度も強く感じた。

旅に於いて、本当に大事な「物」なんていうのは実際にはかなり少ない気がする。現金とパスポートと、両手に抱えてダッシュできる位の小さく軽い荷物。せいぜい「物」なんてその程度だ、と僕は思う。

スーパーのビニール袋1枚で旅する強者もいると聞くが、短期旅行であれば実際それで十分だ。その土地で必要な物は大抵その土地で手に入る。あえてバックパックを重くし、1度2度しか使わないような代物を持ち続けるのは些か効率が悪い。安く買い、必要なくなったら捨て、周りに人がいるのなら借りる。そうやって文字通りの「身軽さ」を重視するのが、結局最後まで物欲に負け続けた僕が言う説得力の無さを棚に上げることが許されるのであれば、ベストではある気がしている。

が、それと同時に「思いっきり荷物を持って行く(オール)」というアンチテーゼもアリだと感じた。

というのも、所謂バックパッカーを一般的に「長期」にタグ付けされるであろう300日間やってみて『1日中荷物を背負った日』というのは僕には無かった。せいぜい長くて4時間程度で、大抵は30分ほど宿を探す際に歩き回る程度だ。移動中はバスの上か下に積み込める訳で、つまり自分自身が重力に耐えねばならぬ総時間は予想外に短い。

メキシコで100Lのバックパックを持った人を見かけたことがある。何処で買ったんですかソレ?と笑ってしまうくらい巨大で、最早バッグのカテゴリーに入れるのもオコガマしい程の「歩く家」だったが、アレはアレで格好良いし、個人的には「アリ」だと思った。


以上から、僕としては「荷物を減らしまくる」か「荷物を増やしまくる」のどちらかを選択することが理想型なのでは、と思っている。そして、自身の経験と自覚してやまない体力の無さを考慮した上で、僕にとっては前者が現実的かつ理想だと考えるが、僕とて幼少時よりやれテレビだやれパソコンだやれ携帯だ(携帯を初めて手にしたのは浪人期の20歳だったが)に囲まれて育ってきた所謂現代人の一員を自負している。ついでに言えばゆとり世代である。「コレはあると便利」という魅力に打ち勝つのは容易ではなく、そもそもそんな「物」を手にした生活が当たり前になっており、最早その当然と化した便利さに自分自身でも気づいていない節すらある。

そこで、今回は僕にとっての「理想」から若干妥協した「準・理想」像である旅荷物スタイルを紹介しようと思う。題して『旅の7つ道具』だ。便利かつ最小限の理想像で、次の短期旅行からはこのスタイルを実践してゆくつもりである。数には語呂以外の意味は特に無いが、「七不思議」や「七味唐辛子」など日本人は割に「7」という数字が好きなようなのでその慣習に乗っかってみた。(ちなみにコレは世間一般に言う『発展途上国』を旅する時の装備であって、流石にヨーロッパやらアメリカへ行く時は僕もお洒落にスーツケースを転がすだろう)




旅の7つ道具(あきらの場合)


アイテムNo.1 『iPod touch』
iPodtouch

一番手から文明の最たる利器である。が、コレは外せない。単に音楽を聞くだけではなく、wi-fi有無の確認、ウェブページの画像保存、マップ読み込み→地図として使用、e-チケットの画像保存(コレは失敗するケースもあると聞く、僕は大丈夫だった)など、用途は様々だ。iPhoneに比べれば安価なので、故障破損盗難類のアクシデンツが起こっても精神的ダメージは比較的少なくて済む。さすがにブログ更新などはできないが、facebookやtwitterやGmailを確認する程度であればコレで十分。


アイテムNo.2 『つなぎ』

ナイロビ/ケニア
これは真剣にオススメしたい。僕はケニアのギコンバマーケットなる巨大古着市で運命のつなぎを手に入れたのだが、彼とはその後4565mのメルー山、5895mのキリマンジャロを共に登り、その後も寒冷な高所では僕の身を温かく包み込んでくれ、ナミビア→南アの1600kmにも及ぶ荒野を一緒に走り抜けた。
まず、なんと言っても動き易い。次に、体温調節に長けている。暑ければ全裸で着れば良いし、寒ければ下に着込めば良い。また、洗濯しなくても社会的にオーケーである点は旅人にとって非常にウレシい。服を選ばないのも特徴で、下に何を着ようと「それなり」に見える。この「それなり」が大事なのだ。そして「つなぎ」を着てヒゲなど伸ばせば、どう見ても典型的な金持ちジャパニーズには見えない。むしろちょっと近寄り難いくらいだ。路上の人々からのウケも良い。更に、懐深くにしまい込んでいるであろう「貴重品袋」を手厚く守ってくれる。僕の相棒はポケットが多く機能的で、しかも直接下着に抜ける穴が意図的に設けられているため、ちょっとモゾモゾするだけで人に見られずパスポートを取り出せる。
最大の欠点にして唯一の難点は「ウンコ」をする時に全部脱がなくてはならない事だが、これも熟練することでその煩わしさをいくらか軽減させられる。
断言しよう、これからの旅人ファッションは「つなぎ」だ!


アイテムNo.3 『ギター』

ミニアコースティックギター

僕は今回の旅に大して弾けもしないくせにギターを持って行った。楽器屋で一番安かった、9000円のミニアコースティックギターだ。
「重い重い」と散々嘆き続けたが、コレがあったからこそのシチュエーションにいくつも恵まれた。単純に暇つぶしにもなる上に、言葉が通じない地域でのコミュニケーションツールの1つとしても大いに活躍した。
ふと財布を見ると小銭がなくなっている。ドル替えしなければいけないが、レートが悪い。そんな経験は誰しもあるんじゃないだろうか?そんな時に、ギター!、である。路上に腰を下し、ジャカジャカかき鳴らしながら歌ってみる。するとあっという間に人が集まってきて金やら飯やらを恵んでくれるのだ。子供にも大人にもウケること間違い無し、である。ザンジバルで弾き語った時、僕を囲む輪の向こうから身なりの良いオッサンがやってきて、スッと日本円にして100円ほどの現地通貨をハットに入れてくれた時は痺れたよボカァ!


アイテムNo.4 『一眼レフ』

CANON EOS60D
 
出国前、大学入学と旅を契機に始めた新しい趣味だったが、どっぷりとその魅力にハマってしまった。時折、「感動」という心の震撼と「シャッターを切る」という動作の順序が逆転してしまい、自分の中ですっきりしない不快さを味わうこともあるが、それでも続けているのはシンプルに好きだからなんだと思う。これからも色んな土地の人と自然と空と、そして目に見えないモノまで撮っていけたらいいなと思う。


アイテムNo.5 『紙地図』

アフリカ地図/ナショナルジオグラフィック
昔のナショナルジオグラフィックの付録で、様々なメモが隅に書かれたアフリカの拡大地図。これは持って行って本当に良かった。移動中や、ふと1人になった砂漠のど真ん中で、勢い良く地図を広げてみる。街、川、湖、海、山、今まで自分が辿って来た道のりがふわりと蘇ってくる。旅人たるもの、何でも電子化が進む現代の流れに逆らって「敢えて」紙地図を持つべきだ。これはロマンである。

アイテムNo.6 『日本の写真』

見慣れた飲み会風景/秋田

旅先で出会うその地の人、或いは他国の旅人から「日本のこと教えてよ」と言われるのは珍しいことではない。僕の場合、時期的なこともあって2011年の大震災のことを問われることが多かったのだが、そんな時に日本の写真を持っていると便利極まりない。家族の写真でも、友人とカラオケにいる様子でも、何でも良い。何気ない日常の風景すら、それが何気ないと感じるのは自分だけなのだから。

アイテムNo.7 『VISAカード』

説明するまでもない。これがあれば前述の6項目すら手に入るという優れモノだ(講座残金は度外視)。実際、僕の訪れた北〜東〜南部アフリカですらVISAが使えない国は無かった(スーダンは国中で国際ATM使えなかったので例外)。西を旅した人の話を聞いても、VISAさえあれば問題なし、と言う。本当に心強い。ウェブ申請可能である。







以上、後半はそれとなく雑になりながらも、「7つ道具」をまとめてみた。これら以外の細々した物はエコバッグにぶち込めば、もう何処へだって旅立ち楽しんでくることができるという、僕の経験と過度な主観に基づく超アイテムたちを一挙特別公開した。異論はあるか?あれば悉く却下だ!

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