メキシコ・パレンケ 乗り合いバスにいた物売りの少女 |
往々にして、旅は移動の連続だ。一つの街や村でどのくらい時間を使うかはそれぞれだが、目的地の有無に関わらず、誰しもがいずれは次の場所へと旅立ちを迎える。旅が旅である以上、それは一定の本質であろう。そんな移動の時間は車窓の景色を眺めたり、隣の席に座った人と話してみたり、何をすることもなく考え事に耽ってみたり、その時の気分ピッタリな音楽を聞いたり、と思い思いの時間を過ごすことになる。
僕がお会いした人は、mp3プレーヤーを持っている「音楽を聞く派」が多かった。父親世代ではCDプレーヤーと厳選したCDを持って旅していたというから、iPodなどの比較的安価でかさ張らない音楽端末の出現は「旅人界」的にもさぞ画期的かつ革新的だったに違いない。
「音楽を聞かなければならない」わけでは、もちろんない。「その時々の音―――バスの中ならバスの中の音を、大自然の中なら大自然の音を―――を楽しむ方が好き」と言っている方は何人もいた。実際、僕もそっちの方が、漠然とした物言いではあるが、ロマンチストっぽくてイケてるように思った。
さて、僕個人はと言えば、目一杯に曲を詰めたiPodtouchを持って行った。「使わなければ使わないで良いが、『この曲が今聞きたい!』と衝動に駆られた時に聞けないのは悔しい」程度のテンションでいたが、移動中や、特に自転車を漕いでる時は非常にお世話になった。
幸運にも盗難や紛失はなく、1年の苦楽を共にしたiPodは今も僕の手元にある。プレイリストには当時のヘビーローテーションだった曲たちがズラリと並び、どの曲にも頻繁に聞いた時期や国があったりと、どうしようもなく懐かしい。
今回は、青木優さんの「旅している時に聞きたくなる、旅音楽5選」に便乗ということで、それらを「旅音楽」と称して紹介してみようと思う。僕は音楽通でも何でもないので、安易な選曲になってしまうが、その辺りはご了承頂きたい。
①つじつま合わせに生まれた僕等(amazarashi)
歌詞が強烈すぎて日本だと聞くタイミングを逃しがちな曲だが、スラムや貧困、そんな現実を目の当たりにした時、アフリカの人々が生々しすぎるほど生きているのを見た時なんかに一人で聞いていた。
②もっと遠くへ(レミオロメン)
③I'll be(Mr.Children)
ミスチルは旅に出てからよく聞くようになった。I'll beのalbum version。
一日の始まりの、空気が澄み切って、水晶みたいに何もかもが輝いて、そんなどこか神聖な朝の雰囲気にピタっとハマる。
④旅に出よう(LOVELOVELOVE)
以前ブログでも紹介したLOVELOVELOVE。彼らが実際にインドへ旅に出て作った、というこの曲は、やはり旅に於いても染みる歌だった。
⑤面影ワープ(nano.ripe)
「花咲くいろは」のOP。別段「旅」要素はないのだが、アフリカの青くて何処までも広い空にピタっと合った。最初のギターイントロが意外にカッコイイ。
⑥Message for parents(RAM HEAD)
エチオピアでお会いしたレゲエDJ小川さんから頂いたCDに入っていた。エチオピアのラスタ臭漂うバーでこの曲を聞いた時は、体の芯が震えた。LOVE AND PEACE.
⑦ブレーメン(くるり)
穏やかなサバンナを横目にブレーメンに耳を澄ませる時間は本当に贅沢だった。動画はグースハウスのカバー。
⑧希望の轍(サザンオールスターズ)
海にいるとついつい聴きたくなってしまう一曲。ザンジバルの白いビーチで、昼間からビールを飲みながら、希望の轍。
⑨ロビンソン(スピッツ)
エジプト・ダハブでダラダラと「あいのり」を観ていた時に、おまめがヒデに弾いているのを聴き、それから何故か一時ずうっと再生しまくっていた。
⑩家族の風景(ハナレグミ)
言わずと知れた名曲。ホームシックとかではなく、ふとした時々に「家族」が恋しくなることがあった。そんな時によく聴いた。
南アのゲストハウスで出会った旅人さんが毎朝歌ってたなあ、そういえば。
⑪茜色の夕日(フジファブリック)
一人で夕日を眺める時は聴いていた。キリマンジャロからメルー山が見えた日の夕景×茜色の夕日、その日ばかりは涙が止まらなかった。
⑫さすらい(奥田民生)
分かり易いほどの「旅音楽」。「さすらおう この世界中を」これは元気でます。
⑬今日もきっと(秦基博)
2011.3.16 versionが好き。騙されたり、物を取られたり、殴られたり、馬鹿にされたり、そんな嫌な気分になった時に聴いてた。
⑭ヘッドライト・テールライト(中島みゆき)
キリマンジャロ登山中、ずっとiPodから流れてたのはこの曲だった。歌詞に丁寧に耳を澄ませながら、一歩一歩刻んだ5895m。忘れない。
⑮旅の途中(清裏夏実)
大好きなアニメ・狼と香辛料のOP。名曲。移動中は大抵聞いていた。アニソンだからって馬鹿にできない。
⑯all you need is love(羊毛とおはな)
羊毛とおはなのall you need is loveのカバー。アコースティックで優しい仕上がり。
マラウイの島で昼下がり読書タイムに聞いていた。
⑰リフレクティア(eufonius)
透明感が心地よい一曲。青空を見上げながらよく聞いた。
個人的に色んな旅人の「旅音楽」に興味があるので、是非書き綴ってみて欲しい。
0 件のコメント:
コメントを投稿