2012年2月7日火曜日

インドシリーズvol.7

7/16 バラナシ3日目
バラナシはガンジス川を中心に、細い路地が入り組むような形で町を形成している。川岸ぎりぎりまで建物が立ち並ぶその合間を縫うように、「ガート」という川へ通じるちょこっと開けた場所が数多く存在し、そこでは早朝から生活~宗教の場として、多くの人が生活を営んでいる。水を汲む者もいれば沐浴する者、用を足す者もいるガートは、バラナシをバラナシたらしめる特徴であるといえるだろう。

今回の突然のインド放浪で特定の目的を定めていない僕らであったが、ひとつだけ共通してやりたいことがあった。それは「ガンジス川でクロールする」ことである。

たかのてるこ氏の著作「ガンジス川でバタフライ」を高校時代に読み、そのころからこの聖なる川に潜り今までの自身の人生における業を洗い流すのに憧れていた。バタフライができないからクロール。

だが生活の場であるガートは、たくさんあるにも関わらずどこも早朝から人で賑わっており、そんな中、一観光客が海パンで泳ぎ回るのは少々気が引けた。

しかしここまできて諦めるのはあまりに勿体無い。腹の調子も心配な上、先日会った日本人旅行者がガンジスで泳いだ後、謎の伝染病にかかり病院で三日三晩注射を打ち続けた話を聞いてしまい、かなりビビッていた僕らであったが、これはもはや大儀、否、人類の夢である。

ということで朝5時に起き、町が動き出す前にこっそりガンジスに飛び込む計画を策していた僕らであったが、この日、見事にその作戦は失敗に終わった。要は寝坊した。

己の精神力の弱さを嘆きながら食堂でおかゆを食した後、屋上でのんびり一服しながら一日何をするか考えた。完全にガンジス川で泳ぐつもりでいたため、完全ノープラン状態。

そんなとき、屋上にいた猿にチョコをあげながら「インドのショッピングモール見にいかね?!」なんて思いついた。思いついたら即行動、早速バラナシのIPモールという若者集うショッピングモールへとリキシャを走らせた。

思ったより遠かったIPモールは普通に大きいショッピングモールで驚いた。日本にあっても遜色ないレベル。アディダスが日本と同じくらいの値段で売っていた。普段から極貧生活で旅を続けぼろぼろのTシャツを着ていた僕らは、お洒落に着飾ったインド人カップルたちに囲まれて、明らかに場違いだった。

この値段で買い物できるインド人はおそらく中の上くらいの階級の人で、インドの違う側面を垣間見たように感じた。カースト制度の名残、圧倒的な貧富の差。

冷房のきいた異世界のようなモールを歩き回っていると、赤い看板に黄色いMが書かれた看板が目に入った。そう、世界のチェーン、マクドナルドである。

牛肉を食べないヒンドゥー教徒の多いこの国のマックにはどんなハンバーガーがあるんだろう? 純粋に気になってた僕らは話のネタに入ってみることにした。

店内の雰囲気やメニューなんかは日本となんら変わらないもので、アメリカナイゼーションの持つ力に驚きつつ注文を決めようとメニューを覗くと、大きく「マハラジャセット」なるものが載っている。2秒でコレを頼むことを決め、ポケットからRs100を取り出した。

何が出てくるのかワクワクしていると、出てきたのはフライドポテト+コーラ+ハンバーガーの普通の3点セット。どのへんがマハラジャなんだろうなんて思いながら口にしてみると、それはスパイシーなチキンバーガーだった。こんなとこまでスパイシーでオリジナル。実にインドらしい。

食後はモール内散策。30分で飽きた。日本とおんなじ感じ。

これで帰ったら勿体無いなーってことで、インド映画を見ることにした。インドで映画は貧富を問わず非常にポピュラーな娯楽で、代表的な大衆文化である。ハリウッドなどの有名作はもちろん放映しているが、インドのオリジナルムービーの数もものすごい。時間がちょうどよかったのと謎なタイトルに魅かれて、Love Story 2050というコテコテのインド映画のチケットを2枚買った。ダイヤモンド席で1枚Rs150。なんでダイヤモンドか分からなかったが、チケットに記載された一番後ろのダイヤモンド座席は、フルリクライニングが利く豪華な席だった。



気になる映画の内容だが、これが本当に「ワケワカラン」の一言に尽きる。

英語とヒンドゥー語ミックスでサブタイトルが無かったので、大体のあらすじ程度しか理
解できなかったが、「主人公の彼女が交通事故で死んで、タイム
マシーンで未来へ行き、生まれ変った彼女と付き合いつれ
て帰る」みたいなストーリー。突っ込みどころが多すぎてひたすら笑ってた。まず何でタイムマシーンで過去にいかないのかわからん。

3時間のこの超大作インド映画は途中に15分休憩が入った。歌が異常に多くて、ワンシーンじゃなくて1曲普通に歌いきってた。こんなにスタミナ使う映画は初めて。

後半は「パクリだろww」みたいなシーンが多かった。主人公は普通の学生?だったはずなのに、なぜか未来行ってからめちゃくちゃ戦闘強くなってて、ライトセーバーもどきを振り回してカメハメ波だすダースベーダーの攻撃をマトリックスのようにかわしてた。いちいち湧き上がる会場の歓声とブーイングにインドを感じた。

未来で生まれ変った彼女に会う ってのにヒンドゥー的な輪廻観を感じ、インド人がイメージする未来都市が案外にハリウッドなんかのそれに近かったのも、なんだかオモシロかった。大衆文化ってその国を理解するのに役に立つと思う。

結論から言うと、インド映画、1回はネタに見るといいかもしれない。笑





次章 ガンジス川でクロール!




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