2012年2月1日水曜日

インドシリーズvol.5

7月14日、僕らはついにバラナシに辿り着いた。時計を見ると昼の12時。チケットの到着予定時刻は朝8時のはずだったのだが、さすがはインドである。

クーラー付きの2等寝台車での一晩は快適かと思いきや、凍えながら目が覚めるほど寒かった。寝台の脇につけられたペットボトルホルダー的な金属が夜中いちいち冷たかったのを覚えている。

駅は大きいが人で溢れていた。さらなるカオス。一歩駅の外に出るとそこは戦場。リキシャの客の奪い合いが熾烈を極めていた。

僕らはこの街では絶対に「屋上からガンジス河が見えるゲストハウスに宿泊しよう」と前々から決めていた。とりあえず河沿いの通りに向かおうとオートリクシャに乗ったが、最初Rs20で交渉したはずなのに途中から$20だと言い出しやがった。

頭にきたので金を払わず降りて、11歳くらいの少年の人力車に乗り込んだ。僕らが重いのか、少年は必死で立ち漕ぎしてるのにゆーっくりとしか進まなくて、なんだか申し訳なかった。容赦なく値切ったけど。

宿の客引きもレベル高くて、おれらのリクシャに勝手に乗り込んできたり、走っておいかけられたりと、インド人のウザさレベルが割高な街ってのが着いて30分でひしひしと伝わった。
ちなみに、世の中には「世界三大ウザい国」ってのがあるらしく、「インド、エジプト、モロッコ」がそれらしいのだが、その中でもバラナシはかなり上の方にいる街らしい。観光客数と比例するところはもちろんあるんだろうけど。

体調が万全の状態だと、こういうどうでもいい無駄な交渉ややり取りも「思い出・経験・ネタ」として楽しめるのだが、お腹の調子がまだイマイチだと下あごにアッパー喰らわしてやりたい気分になる。

リキシャやタクシーで全く関係ない所へ連れて行かれることなんかもインドでは日常茶飯事で、「約束したじゃん!」とか「ここじゃないじゃん!」なんて当たり前の攻撃をしても、奴らはトンデモ理論で反撃してくる。多分本当の意味で勝利するにはインド人も理解できないような「超トンデモ理論」で武装するしか術がないだろう。

ようやくガンガー(=ガンジス河)に沿ってる一本中に入った通りに辿り着いたが、ワーって挟み撃ちされたらワーってなるしかないようなすごく狭い路地裏的一本道で、ここでも客引きがしつこかった。もう戦闘に疲れ切っていた僕らは無視を決め込んでいたのだが、変な客引きが僕の肩掴んで「話きけよ!」と言ってきたので、英語で僕の知る限り最大級の呪いの言葉を吐いたら逆ギレされた。

やっと辿り着いた宿候補その1のBABA GUEST HOUSE(一泊Rs200)は人2人がすれ違えるかどうかくらいの細い通りにあった。おじいさんの案内ナシでは辿り着けなかっただろう。早速中を見せてもらったが、かなり良かった。1階には韓国料理も出している食堂(漫画や本もあった。僕の夏休みの英語課題はここに置いてきた)があり、2階の部屋の前はソファーや椅子が置いてあるラウンジのようになっていた。そして何より屋上からはガンジスの流れを目下に見渡せた。これが決定的で、僕らはこの宿に滞在することにした。

屋上からのバラナシの様子。


食堂で韓国の辛ラーメンを食べ、サービスのチヂミに舌鼓を打ったあと、久方ぶりのシャワーを浴びて洗濯。ここ数日間、バスや電車で夜を明かしていたのでシャワーはおろか着替えもしていなかったのだが、洗濯したらバケツの中が泥水のように濁っていて驚いた。

2階のラウンジには何人か人が集まって雑談していて、話しかけてみたら日本人2人と韓国人1人だった。雑談してると更に大学生くらいの日本人男性2人がやってきた。チャラい感じのあんちゃんとロンゲ&ヒゲでヒッピー風なあんちゃんで、名前を長谷川さんと木村さん(ハセさん&キムさんと呼んでた)といった。

お二人はもう数週間もバラナシに沈没していたそうで、オモシロい話をたくさん聞かせてもらった。ハセさんキムさんとはすごく仲良くしてもらって、結果的に僕らの旅に大きく影響していくのはもう少し先のお話。







15日以降の内容を続けて書くとエグイ長さになりそうなんで、今日はこのくらいで。動きのあまりない日常回でした。すみません。



最後に一個だけ、ハセ&キムさんが発明したインド発の新感覚エンターテイメントを紹介して終わりにします。







「猿釣り」


手順1 スモモなどの果物を購入し、ビニールひもでキツく縛る。
手順2 バラナシのゲストハウスの窓の鉄格子の間からそれを地面へ垂らす(このとき部屋は高い階にあればあるほどよい)。
手順3 心を無にして待つ。ひたすら待つ。
手順4 猿がスモモを掴んだ感触があったら思いっきり引っ張る
手順5 猿が釣れます


動物愛護団体からクレーム来そうなアレですが、バラナシはそれくらい野生の猿が多いんです。

しかも奴ら狂犬病持ってるから怖い。ヒンドゥー教で神様系のポジションらしく、下手に駆逐できないから、数は増える一方なんじゃないかな。オソロシイ。


















次章 命の循環×シヴァ神の火×2050年恋愛映画






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