日記を確認してみたところ、どうやら僕は計45日間ケニアに滞在していたようである。そのうち3日間のティカ、4日間のキスムを除いた36日間はナイロビ郊外の宿「ジャングルジャンクション(JJ's)」に宿泊していたわけで、文句なしで今回の旅の滞在日数No.1だ。
「ケニアで活躍されている日本人の方を訪ねてお話を伺う」、これを主要目的にこの無駄に思えるほど長い日々を過ごしてきたわけだが、たくさんの人にお会いし、時にはスタディツアーに参加させて頂いた経験は、ただの傍観者である旅人に過ぎなかった自分に、生活者の視点を少なからず与えてくれた気がしている。学んだことも多く、既にブログで記事として更新してきたように、大きなキッカケをいくつか掴むことができた。何の専門性もまだ持たない一介の学生風情でこのような機会を得られたたことには本当に感謝の言葉が見つからない。
また今回のそれとなく予め計画していたこの長期滞在には「リフレッシュ」の意味合いもあった。飽き性の僕は、ケニアまでの5ヶ月間で少なからず「観光慣れ、刺激慣れ」していた節があり、一箇所に長く留まり意図的に所謂「バックパッカー」らしからぬ日々を過ごすことで、再出発時の9月に始まる旅後半戦を新鮮な気持ちで迎えられたら、という目論見だった。
これも悉く成功したように思っている。多くの旅人を迎え、多くの旅人を見送った。ギターの表面がメッセージで埋まるほど出会いがあった。毎日自炊して料理の特訓をした。カメレオンを探して一日中庭を探し回った日もあったし、ビールを片手に夢を語らった夜は数え切れないほどだ。することがなく旅人各々がパソコンをいじる日もあったが、そのカタカタ、と音を立てるタイピングが響き渡る談話室のゆるい雰囲気が好きだった。
「何もしないをする時間」、とかく悪くとられがちだが、それもたまにはいいんじゃないかな、と思う。『ポレポレ』、スワヒリ語で『ゆっくりゆっくり』という意味の言葉で、ケニアに来てからしょっちゅう耳にするようになった。生き急ぎすぎるのも考えものだな、なんて思うし、こういう考え方ができるようになったのはケニア滞在の賜物なのかもしれない。
そして何よりも、8月31日、僕の誕生日を11人もの旅日が祝ってくれた。風邪気味でいつもの40%くらいしかテンション上がってなかったように見えたかもしれないが、めちゃくちゃ嬉しかった。22歳なんてのはダブルピースできるくらいで何のレア感もない歳なのに、異郷の地で祝ってもらうそれは本当に嬉しい一生の思い出だ。
何より嬉しかったのは、エジプト、スーダンを共にした2人の大好きなチャリダーさんであるカスミさんとリョウヘイさんが、誕生日のためにわざわざケニアまで来てくれたこと。再びビザを取り直すのを承知でエチオピアに戻ってゆく二人を見送る時は我慢できず涙が出てしまった。今まで別れ際に泣いたことなんてなかったのにな。
・・・と、ケニア、本当に楽しかった。学んだこと・感じたことの羅列は前回までの記事で済ませてあるので、ここであえて繰り返すようなことはしません。出会ってくれた皆さん、お世話になった皆さん、本当にアサンテサーナ(マジありがとう)!
参考:JJs(ジャングルジャンクション)へのアクセス
ナイロビ市内の中心部にあるヒルトンホテル前のバス停(道路沿いにバスがいっぱい停まってます)で『46番』のバスに乗車し、『アンボセリamboseli』にて下車。AmboseliRdに入って20mくらい歩くと右手に瞑想している青いサルの絵が描いてある門があって、そこがJJ'sです。
「何もしないをする時間」か…。
返信削除なんか俺の知ってる2年前まで医学生だったやつもおんなじ事を言っていたなぁ。
「何もしないことを意識してやる」って。それによって新しい何かを感じられるってね。
そんな彼もすでに医師になって頑張っています。
学生時代は井口君に負けないくらい活動的で、今もとても活動的なやつです。
なんかちょっと嬉しかったよ。。。