2012年5月14日月曜日

ダイビング、始めました。<おまけ>



4月9日、ダハブ最終日。

アドバンスコースを終え、水深30mの世界を訪れる資格を得た僕は、宿泊していた日本人宿DeepBlueでファンダイブを申し込んだ。

向かった先はシェルム・イッシェーフ。紅海に眠る第二次大戦中の沈没船に潜るツアーだ。

陽が昇る数時間前にダハブを発ち、ほぼ徹夜状態でふらふらしながら船に乗り込む。

朝日が静かな港の水面を橙に照らす。眩しい。


総勢18人ほどのダイバー達が各宿から集まった。日本人は僕を含めて6人。

甲板に上がり、少し肌寒い潮風を全身に感じながら仮眠していると、1~2時間で沈没船のスポットに辿り着いた。

同様に他のツアー客が乗る船がざっと7隻。こんな何の目印もない沖合いに沈船なんてよく見つけたなあ、と素直に感心。

風が強いからか、船が密集しているからか、波が荒い。冬の日本海よりも揺れて、軽く気持ち悪い。ビール持ってこなくて良かった。

船の様子
DeepBlueとSevenHeavenの合同メンバー。
9:08am、ついに潜行開始。初めてのボート上でのセッティング&ボート上からのエントリー。

海底とボートを固定するロープを掴みながら潜行を開始したのだが、ワケワカランほど流れが速い。

ブリーフィングで「1本目は船の周りを、2本目で船の内部を」と説明を受け、「船頭でタイタニックしてる写真撮れるかなー」なんて思っていた自分が馬鹿だった。そんな余裕はまるでない。

恐ろしいほどの流れに逆らい、必死で大きく水を蹴るも、ほとんど進まない。沈没船は全長約170mと想像以上に巨大で、15m程の視界には収まりきらず、ぱっと見、海に沈んだ廃墟のような雰囲気。

6人1組で潜った。日本人グループのダイビングインストラクターは配慮が雑だった(ように感じた)。
沈没船。真ん中あたり、だと思う。
波の強さに翻弄され、ゆっくり船を眺める間もなく1本目は終了。ファンダイブっていうよりむしろ「トレーニング」ダイブ。その位消耗した。水温も23℃あるはずなのに冷たく感じる。

40分程の休憩の後、早速2本目のダイブ。1本目空気の消費が激しかったので、「落ち着け、リラックス」と頭の中で反芻しながら潜行開始。


沈船内部の風景は目を見張るものがあった。どういう経緯で沈没したのか分からないが、輸送していたのであろう物資やタイヤ、軍用車なんかも眠っていた。

水中ライトで暗い船内を照らすと魚がうようよいて少し不気味。流れのない沈船内は隠れ家と化しているようだった。


そんなダイビング中盤、タンクの残圧が70をきったのでインストラクターにそれを伝えた。

が!

「20m以上は潜ってたし外の流れも強いし、早めに戻って欲しいなー」、そんな僕の願いは見事に裏切られた。

なんと先導していたインストラクターが更に潜り始めたのだ。

予想外の展開に戸惑いながらも、空気の残量が気になってしかたない。「空気足りないんじゃね・・・?」っていう、不安と焦り。

できる限りエアを節約するも、残量は無常に減ってゆく・・・。浮上してロープに掴まった時の残圧は20・・・。

そんな状態での安全停止(数分間5m地点で休止する)の数分間は究極に長く感じられた。流れは依然として強く、ロープを握る手を弱めれば遥か彼方まで流されかねない。

「ガチで死ぬかもしんない」、そんなこと思いながら学科で勉強した緊急浮上のやり方を必死で思い出していた。


結局ボートに上がった時の残圧は10。ほんっとギリギリ。体の力が一気に抜けた。ダイビング、分かってはいたつもりだったけど、危険と隣り合わせのスポーツなんだなあ、と。

”楽しかった”ってよりも”きつかった”ダイビングではあったが、得難い経験ができたってことで。結果オーライ。





ダハブで最後のダイビングを終え、宿に戻ったのが夜7時。そこからパッキングして、通い慣れた海沿いのカフェでストロベリー×2(イチゴジュースにイチゴアイスが入った飲み物。130円くらい。)を飲んでまったり。

そしてDeepBlueの皆に見送られて10時のカイロ行の夜行バスに乗り込んだ。

・・・3週間

サルモネラ事件もあって、当初の予定より大幅に長い滞在(プチ沈没とも言う)。

ほとんどの日を特に何をするわけでもなく過ごし、言ってしまえばまるで充実していない堕落生活ではあったが、あれほど心からリラックスできたのは本当に久しぶりだった。

思えば受験、浪人、大学入学、と心から安らぐことを長らくしていなかった気がする。たまにはウンコ生産マシーンに成り下がるのもアリなんじゃないかなーっていう自己肯定。




潮風が気持ち良く食べ物も美味い、安いリゾート地・ダハブ。

男だらけで女子大生と戯れることこそ無かったけれど、ダハブに恋した3週間。

一生忘れられない、そしてまたいつか帰ってきたい、そんな場所。


海沿いのカフェfriendsにて。ダラダラPCいじってる様子。
海沿いの看板。NO CAMELSってのがエジプトっぽい。
海沿い通りの風景。毎日歩いた道。
夕時の紅海は本当に美しかった。
味がある壊れた街灯の向こうに見えるはサウジアラビア。

どんな人が何を思い生きているのだろう、そんな空想に思いを馳せる。




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リアルタイムではカイロのsafariという有名日本人宿に泊まってます!
ビザ延長、ビザワーク、物資調達で1週間ほど滞在した後、スーダンへと旅立つ予定です!

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