2012年5月25日金曜日

16年ぶりの故郷。


父がカイロの日本人小学校に勤めることになり、家族でエジプトに引っ越したのが僕が3歳のころ。

それから6歳になるまでの3年間、同じような境遇の幼子が集まるインターナショナル幼稚園に通いながら、小学校入学までをカイロで過ごした。

その頃のことは随分あやふやだけど、なんとなく覚えていたりする。

通っていた幼稚園のクリスマスパーティー、遊園地のリンゴのジェットコースター、動物市のタツノオトシゴ、ピラミッドの中の汗と尿の入り混じったような臭い、ナイル川に作ったペットのヒヨコのお墓、コシャリとターメイヤの味、猫が集まる路地裏、妹が生まれた日のこと、いつもアイスを買ったお店...

今回のエジプト訪問の目的の一つは、そんな記憶の風景探しのためだった。


ナイル川の中洲、ゲジラ島。イスマイル・モハメッド通り。

昔住んでいたアパートを探したりと、懐かしさを求めながら散歩してみた。

乾いたホコリっぽい街を、自分の足跡をたどるようにゆっくりと進む。気づけば右手には本日4本目の缶コーラ。日本ではそんなに飲まないのに、海外だとついつい買ってしまう。謎だ。

結局半日歩き回ったけれど、少なからず期待していた、「コレだ!」っていう記憶のフラッシュバックは無かった。残念ながら。


16年。


気づかないほどにカイロが変わったのか、僕の記憶が曖昧すぎたのか、はたまたそのどちらもなのか。

最終的に答えを出せぬままカイロを後にした。過去とか思い出なんてのはその程度のものなのかもしれない。


エジプトでの3年間が無かったら海外を身近に感じたり、興味を持つことも無かっただろう。そう思うと、あやふやな記憶さえ人生に大きく深く影響しちゃってるんだから、実に不思議なものである。

「自分が確かにいた場所」

それを再び自分の目で見れた。それだけで満足。変化に囚われ嘆くのは野暮というものだ。

そんなことを考えながら、橋の上からナイル川を眺めていた。



『ただいま、カイロ。』





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