2012年7月8日日曜日

天国に近い町


バス休憩の町にいたレモン売りの少女
同じくバス休憩の町にて ギター弾いたら集まってきた人々
ゴンダールから尻の痛みと格闘しながら約10時間、バスを乗り継ぎ辿り着いた町・ラリベラ。標高2700mという高地なだけあって、朝夜は白い息が出るくらい寒い。棚田のように区画された山山に囲まれ、朝は小鳥の囀り、夜はコオロギの鳴き声が響き渡る小さな観光地。平均標高が2300m、農業従事者が80%に及ぶというエチオピアならではの風景だろう。

第二のエルサレムとも称されるここラリベラには、エチオピア正教(国内で広く信仰される原始キリスト教のひとつ)の岩窟教会が数多く存在する。一枚岩をくり抜いて造られたこれらの教会は、個々に特徴的なデザインの十字架を持ち、エチオピアでも他に類を見ない地だ。

観光地というだけあって物価は割高だが、一歩町を抜けると広がるそんなのどかな風景に魅了され、ついつい長居してしまった。

ラリベラ郊外にて 珈琲豆をつぶしてる少女
散歩してたらこの家族が珈琲セレモニーに招待してくれた
本場エチオピアン珈琲 美味 お香炊いたり葉っぱ敷いたりと、セレモニーは凝ってる

そのへん歩いてた子供たち
正直、エチオピア正教や教会にさほど興味があるわけでは無かったが、一応バックパッカーらしく2日かけて教会を巡ってみることにした。



・一日目 ラリベラの教会群

町中から少し坂を下りたところにこの教会群への入り口がある。11の岩窟教会はそれぞれ第1、2、3グループに属している(というかグループごとに固まってる)。

僕は第1→3→2グループという順番に見て周った(実際どれも近い所にあるけど)。ゲートをくぐり、一番最初に目に入ったのは第1グループの聖救世主教会。ラリベラ一番の大きさを誇る岩窟教会だ。祈りの時間なのか、地元の人で混雑していた。

名前忘れちゃったけど第1グループの教会

第3グループの聖ギオルギス教会というポケモンの名前みたいな教会は人も少なく、雰囲気に浸ることができた。上から眺めるとよく分かるのだが、ギオルギスは十字形に岩をくり抜いて造られた教会。ノアの箱舟を模したとも言われるらしい。

ギオルギス!

第2グループは他の2つより高い丘の上にあり、ここからはラリベラが一望できた。時間帯もあるだろうが、ここが一番人が少なく、観光客は僕だけだった。迷路のように入り組んだ造りになっていて、どこか荘厳な雰囲気を感じる。

ところどころに十字が彫ってあったり
教会画
門番のおじいちゃんが人毛のハタキ持ってて笑った
第3グループ・聖エマニュエル教会
教会同士は地価トンネルでつながってて、このトンネルは真っ暗闇で20mもあった




・・・と、11教会をカメラ片手に歩き周ったのだが、予備知識以前に如何せん興味がないので、ただの「確認作業」的な観光だった。正直、教会は中に入ればどれも同じようなもんで、ヨーロッパの教会のような綺麗なステンドガラスや美しい教会画もない。それらの規模も劣化版アジャンター・エロールといったところ。楽しくなかったわけじゃないけど、どこか不完全燃焼だった(あくまで個人的な感想です)。

日記によると「この時点での」テンションは低め。高い金払ってこんなもんかーと評価は低い。



・二日目 アシェトンの聖マリア教会

11の教会群とは離れた、3000mの山の頂上近くにアシェトンと呼ばれる教会がある。この時期ラリベラは夕立が激しいので、朝早くに準備し出発。万が一に備えて持ってきたヒートテックが大活躍。

昨晩の雨でもちろん未舗装の道はドロドロだが、眼下に見える景色が絶景そのものだった。さながら大海原のような雲の隙間から顔を出したラリベラの町が、朝日に照らされて輝いている。雲と雲の間、そこに僕はいた。雲が徐々に風に流され、僕が歩いてきた道を覆ってゆき、まるで雲と競争してるかのようだった。







幸い雨は降らなかったが、途中完全に雲に飲まれ視界が悪くなった。そこには茅葺屋根と金色の麦畑が窮屈そうに広がる村があった。たわわに実った麦は刈り入れ時のようで、男も女も総出で収穫に勤しんでいる。どこか懐かしさを感じる光景だった。子供たちがどこまでも追っかけてきて「金くれ、ペットボトルくれ、写真撮らせてやるから金よこせ」って喚いてたのは萎えたが、彼らがこの岩だらけの悪路を裸足で歩いているのには驚いた。

てか麦じゃなくてテフかも
道は悪くなる一方だったが、壮大な大自然を前にするとそれすら楽しめるから不思議である。休憩を多めに挟んでいたら、結局片道2時間かかっていた。



アシェトン教会は切り立った崖の隙間を縫うように入ったところにあった。ここも例によって一枚岩をくり抜いた岩窟教会。よくもまあこんな便の悪いところに建てたもんだ、なんて関心してしまう。

屋根の下にあるのが岩窟教会アシェトン
800年前に造られたとされるこの教会の中には500年前の宗教画やら800年前の十字架やら、超アンティークな品々が眠っており、司祭のおじさんが一つずつ見せてくれた。

標高3000m強に位置するアシェトンは、地元の人々から「天国に一番近い教会」と信じられているという。眼下に広がる形容しがたい程の絶景を前にすると、なるほど確かに天国を感じる聖的な雰囲気があるように感じてしまう。

このてっぺん!
教会見学後、さらに30分ほど山を登り、周辺で最高峰の切り立った崖に登った(これが一番キツかった)。一応登れるように道やら今にも壊れそうな梯子階段があったが、気を抜いたら死ぬレベル。一歩一歩地面の感触を確かめながら慎重に登り、頂上に辿り着いたときの達成感は筆舌に尽くしがたい。別段変わった植生があるわけではないにも関わらず、霧霞む絶壁の頂上は異世界のように感じた。


頂上。こんな感じで平坦な土地が広がってた
・・・こうして頂上での勝利の立ちションで、ラリベラ観光に幕を下ろしたのであった。





アシェトン教会、「きてよかった」、ほんとにそう思える場所だった。得てして苦労すればするほど、辿り着いたときの達成感と感動は大きいものだ。個人的には教会自体より、そこまでの道のりが感動もの。ラリベラ訪問の際は、是非一人で早朝に訪れてみて欲しい。お勧めのスポット。






備考
ホテルのオーナーや自称ガイドに「教会へはガイドと一緒じゃないと行けない、道案内も必要だ」と幾度となく言われたが、どちらの教会も一人で行くことができた。
2012年7月現在、教会群の入場料は350B(5日間有効)、山上のアシェトン教会は100B。


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現在バハルダールにて療養中。スペイン人カップルとルームシェアしてます。
数日後には首都アディスアベバに向かい、行けそうならソマリランドに向かうつもりでいます。

2 件のコメント:

  1. エチオピア良いとこそうやな〜!わしもいつか行きたい!
    アフリカでやりたい100の事、何個できた?w fall in love したら教えてw
    ダハブのわんちゃんはアカンでw

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    1. いいとこっすよーインジェラ不味いけど!
      アフリカやりたいことリスト更新しときました!fall in loveはまだないっすwダハブ男しかいなかったじゃなすかww

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