2012年4月1日日曜日

雲の上の村で。




トドラからおよそ140km、イミルシルの手前にあるノマドの村「アグダール」に一泊二日で行ってきた。



タクシーの中ビールとタバコを両手に、絶景の岩山を眺めながら登っていくと、畑と山と空に囲まれた村があった。



標高2300mから見る空は近い。観光するところなんて何も無く、ただ人々が農業や織物で生活を営んでる、そんな村。




























村に着いた夜、宿の中庭でヤギ肉BBQをしていたとき、アメリカ人の男にあった。

彼はピースコア(だっけか?)という団体のメンバーで、この村の子供たちに英語を教えているという。

任期は2年。かろうじて電気は通っているが、インターネットやショッピングモールなんてもちろんないこの村で、たった一人、2年。

「若いうちに異文化を体験したかったんだ」

そう話す彼は現地の言葉であるベルベル語も堪能で、知らない単語を耳にしては小さなノートにメモしていると言う。

この村の、この土地の一員になるべく努力してる姿が、純粋に、かっこよかった。

彼はまだ25歳。残る15ヶ月の任期を終えた後は、帰国し医学の道を志すと語っていた。


「彼と歳もそう変わらない自分は、もし同じ立場になったとき、同じ決断を下せるだろうか」

そんなことを考えてしまう。







ノマドの子供たちは本当に可愛かった。

観光客が珍しいのだろうか、朝食を食べていると柵から顔を覗かせてくる。

ギターで適当な日本の曲を弾いたら喜んでくれた。

カメラを向けるとキャーとか言いながら逃げる、逃げる。でもそのうち撮って撮ってって寄ってくる。

標高が高いからなのか、皆ほっぺが赤い。可愛い。



















「何も無い」が「ある」、そんなのどかな村。必要以上のモノは何も無いシンプルな生活。


旅人なら一度はあるんじゃないだろうか?

ガイドブックにも載っていない自分だけの場所を見つけ、人に紹介したくなる。

だが、観光客が多くなり、その場所が今のそれと変わってしまうのは嫌。

そんな気持ち。そんな矛盾を孕んだ葛藤。そんな余所者のエゴ。







帰りのミニバスに乗り、子供たちに別れを告げた。

僕の旅は続く。この村の生活も続く。別々の道がたった一日だけ交わった偶然。

「ここの子供たちが、この先もずっと笑顔でいてくれれば、それでいいのかな」

そんなことを思いながら村を後にした。























ネット環境がなかったんで、リアルタイムから少し遅れての更新ですっ。

昨晩サハラ砂漠の町メルズーガに到着しました。しばらくは砂漠で物思いますっ。

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