喧騒の街カイロを離れ、17時間強のバス移動を経て辿り着いた、エジプト南部の港町・アスワン。
アスワンハイダムと呼ばれる大型ダムの向こう側には、ナイル川を上流へと遡っていくスーダン行フェリーが往来している。
苦労の末、スーダンビザとフェリーのチケットを手に入れ、「いざスーダンへ!」と意気揚々港へ向かったが、「船が満員で乗船できない」と追い出された。チケットを持っているのに、である。全くもってトンでもない。ファラオの呪いか。
こうして、ダハブで出会った世界一周チャリダーで現在4年目のリョウヘイさんと、カイロで出会ったアフリカ縦断中女性チャリダーのカスミさんと共に、「これも何かの導き」と、次便までのもう1週間待つことになったのだった。
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そうして一週間後、6月4日月曜日、ついに出発日。朝6時にパッキングを済ませ、電車でハイダム駅へ向かう。
積載量オーバーなんて概念のないトラック、日陰のベンチで開門を待つ人々、30分に1回は聞こえてくる喧嘩と怒号。先週と同じ風景。
10時にようやくイミグレーションへの門が開く。我先にと殺到する人々。荷物検査場の密集度はミスチルのライブ会場のそれより高かった。
親切なオッサンに助けられ、待ち時間が無駄に長い諸手続きを終わらせ、ようやく船に辿り着いたのが12時過ぎ。
散々足を踏まれながらやっとの思いで乗り込んだフェリーは、辺りに停泊していた中で「これだったら嫌だなー」と思っていたやつ。古いってかボロい。
エアコンに近い、硬くて直角な椅子のコンパートメントをなんとか確保し、一緒に船を待っていたイギリス人3人、韓国人、日本人3人、オーストラリアのおじいちゃんでシェア。
フェリーは結局18時ごろ出航。船の中は人と積荷で溢れ返っていた。船内でも席の取り合いで喧嘩する声が聞こえてくる。いい加減にしろよw
夜、人がひしめき合いながら寝てる甲板に出て煙草をふかす。生暖かい風が顔にあたる。潮の匂いがしないなと思ったら、川にいるんだってことを思い出した。そういえば川でフェリーに乗るのは初めて。
翌朝、再び甲板に上がると、周りのおっさん達が「ここがスーダンとエジプトの国境だ」と教えてくれた。
自分でビザをとって、自分でチケットをとって、そうやって自分自身で国境を越えたのは初めて。こんな目に見えない線のために必死で声張って、動いて、喧嘩して。なんだか笑える。朝日が水面を銀に染めていた。
結局スーダン北部の港町・ワディーハルファに到着したのは朝11:00。待ち時間も含めると丸一日以上かかるタフな移動だった。
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船を降りた瞬間、思わず口から出た言葉は、「暑い」。
カイロ、アスワンとエジプト国内でも南下するほど日差しが強くなるのを感じたが、スーダンの暑さには一線を画すものがあった。皮膚が文字通り焼けそう。けど、赤道に近づいてる感じがして少し気持ちが高まる。
トラックに荷を投げ込み、その上に座って荷物検査場へ。しばらく待たされた後、ようやく乗り合いタクシーで町の中心部へ。
一応国際フェリーが発着する町だし、とある程度大きな町を想像していたが、ワディハルファは田舎な砂漠の町だった。冷たいコーラが飲めるだけで十分だけども。
言葉こそ違わないけれど、食べ物や通貨、人々の雰囲気、煙草の銘柄、建物…全てがエジプトと違う。新しい国に着いたのだ。
国ごとに重くなっていくバックパックを担ぎ、そんな街並みを眺めていると、暑さと疲れで体はバテてるはずなのに、不思議と気持ちが高鳴る。
スーダン。ガイドブックはもちろんないし、情報も調べてない。あるのはsafariでコピーしてきた、一枚の手書きの地図だけ。
新しい国に到着したときの、「また始まるんだ・・・!」って感覚は体験しないと分からない。未知に飛び込んでいく若干の恐怖と不安も入り交ざった快感には、麻薬的な誘惑さえある気がする。
町のホテルはどこも満室だったので、警察に頼んでポリスステーションで野宿させてもらった。
「旅したい!」って思い始めた頃からずっとやってみたかったんだよね!俄然「旅」っぽい!
「旅したい!」って思い始めた頃からずっとやってみたかったんだよね!俄然「旅」っぽい!
硬い砂地の上にブランケット纏って横になる。背中は痛むが、地球の上に寝てるんだなーって気持ちになれる。欠け始めた月が綺麗で、まだ少し残る暑さの余韻を感じながら静かに眠りに着いた。
スーダン。この乾いた地で、一ヶ月。
禁酒生活、始まりました。
にほんブログ村いつも閲覧どうもです!
現在スーダン北部の主要都市ドンゴラにて休憩中。
ネット遅すぎてこれアップするのに4時間はかかってます。一回停電したし。
これからしばらく田舎巡りしてきまーす!
アラビアンやね!えんじょい!
返信削除スーダンもっとアフリカっぽいかと思ったら北部の北部はアラビアンだった、今いる首都ハルツームは黒人いっきに増えたけど。
削除いつも楽しくみています。
返信削除あいかわらずお元気そうで。