ドンゴラの次に向かったのは「カリーマ」という、スーダン観光には欠かせない町。カリーマも含め、周辺の町・村に遺跡がいくつか残されているのである。
カリーマ自体そこそこ大きい町であるにも関わらず、観光客はもちろん、土産屋すら見かけなかった。こういうトコがエジプトと違う。 そこそこに物が手に入り、そこそこに人が多く、そこそこに賑やか。そんなカリーマの居心地の良さに惹かれ、予定よりもゆっくりしてしまった。 そんなカリーマ周辺の遺跡を、感じたことなんかを交えて紹介しちゃいます。
①ヌリ
カリーマからオアシスを抜ける橋を渡りマラウィへ、そこからさらにカリーマのナイル川対岸方向へ戻ったところにあるピラミッド群。 子供がロバつれて歩いてるような、いなか~な雰囲気の村の道路脇にひょこっと建ってるヌリのピラミッド。岩がかなりくずれたものもあった。補修などは一切なし。ピラミッドに使われてる岩の中に丸い綺麗な石がいっぱい詰まってたのはこのへんの岩石の特徴? エジプトで達成できなかったピラミッド盗頂をここで達成。なるべく崩さないように気をつけました。スーダンで見る初ピラミッド。 例によってウザイポリスに「チケットはどこだ?金を払え」って要求されたけど、シカトしてたらどっか行ったんでモーマンタイ。
2 クル
クルにはお墓が残ってる。一回目行ったときは鍵持ってるおじいさんが見つからず、二回目にして見れた。カリーマから18km離れた、これまたナイル脇田舎村にある。 細長いぽっぽ焼き(新潟県民しか通じないね!)型の墓のドアを開けると、下へと続く30段ほどの階段。下りきると長方形の部屋。一部屋だけのためにしては豪華な造り。おそらく当時のまま残されているヒエログリフは色がくすんでおり逆にイイ感じ。空、星、太陽などのシンボルや、物語調の壁画など、結構立派。 エジプトでルクソールもアブシンベルも行ってなかったんだけど、リョウヘイさんが「ルクソールの壁画はすごかった。そこらじゅうヒエログリフで、それがぶわーっと頭の中に入ってくるみたいで、宇宙的だった」って言ってるのを聞き、ちょっと後悔。 墓の周囲にもピラミッドだったであろう岩山やら、墓の中へと続いていたであろう階段(現在はゴミ捨て場化してる)があったりと、もっとやる気出して入国しやすくなればスーダン観光業でも一山当てられるのになー大変遺憾ですなんて思ってた。
3 カリーマ
カリーマ中心部から徒歩30分ほどの所に大きな岩山があり、その横にピラミッドが5つ佇んでいる。ここがこの一帯一番のハイライト。
ドンゴラで仲良くなって3日間一緒にいたイギリス人のジェーミーが「岩山からの夕日は絶景だったよ!」って言ってたから登ってみることに。
遠くから見ると結構大きく、ジェーミーの「15分くらいで登れるよ」発言を白人的フィーリング的なアレと疑いつつ登ると、だいたいそんなもんだった。岩岩してて案外登りやすい。地元の人らもけっこう登ってた。
僕の持論で、遺跡は夕日・朝日が綺麗てのがあって、影ができたほうが遺跡っぽく絵になるんよね。あとはけっこ東向きの遺跡多いし。
夕時、岩山てっぺんから見下ろす景色はスバラシかった。ナイル川に沿う緑、その奥に続くヌリやマラウィ、カリーマの町並み、そして永遠に続く砂漠。砂塵が空気中に舞うからか、白くくすんだような空気に差し込む夕日と、光線を受け影を伸ばし行くピラミッド。
ピラミッド建設後にこの岩山ができたってことはないだろうから、当時の人もこの頂からピラミッドとその奥に広がる砂漠を望んだのだろうか。そんな往時に想いを馳せる。
夕日が砂漠に落ちていく。空と砂を分ける境界線に押しつぶされるように消えていく。無心で魅入ってしまうほど美しかった。
そして翌朝、朝焼け前に目を覚まし、跳ねた髪のまま再び岩山を目指した。
東の空が赤、橙、黄と色を変えていき、ナイル川の静かな水面もそれに合わせてカメレオンの如く煌いていた。
昨日の夕日とは逆で、頭を少しずつ上げるように自分の形を取り戻していく太陽をまだ寝ぼけた頭でぼんやり記憶に刻み込んだ。
『忘れられない風景』
まだ21年とちょっとしか生きていない僕だけれど、胸を張ってそう呼べる理性も感情も圧倒する風景にいくつか出会うことができた。自分にとっての幸せの数を数値化するなら、間違いなくそれらはそんな要素の一つだろうな、なんて思う。
カリーマの岩山から見た一日の終わりと始まり。この日見たそれを僕はきっと一生忘れない。
カリーマ周辺の遺跡、スーダンにお越しの際は是非足を運んでみることをお勧めします。
超高級・ロタンナホテルに宿泊中ですっ。
数日内にはエチオピアに入国予定ですが、エチオピアの悪評に早くも辟易してます。
無事に抜けられるかっ!?
0 件のコメント:
コメントを投稿