2011年12月22日木曜日

ファインダーの向こう側に憧れて。

「大学に入ったらバイトして自分でお金貯めて一眼レフを買おう」

受験期に机の脇にモチベーションアップのために貼っていた『大学に入ったらやりたい事』リストにはいつも『カメラ』の3文字があった。








初めて写真に興味を持ったのは中学1年のときだった。

当時本気で獣医になりたかった僕は、父親と一緒にケニア・タンザニアの夏休み2週間サファリツアーに参加した。

巨大な蟻塚、だらしなく昼寝するハイエナ、狩りを子供に教える大所帯なチーター、首から血が滴り落ちる無念そうなインパラ、残骸を狙って上空を旋回するハゲタカ、ライオンの激しいセックス、数十m先のキリンを追いかけたときのその優雅に走る様、朝蜂蜜の瓶に我先にと飛び込む蜂達、夜明かりに釣られてシチューに飛び込む手のひらほどもある蛾、朝キャンプ場で堂々と草を食む像、シマウマとヌーの群れ、ンゴロンゴロのカルデラに落ち入る濃霧、満点の星空と全景の地平線。

全てが生きていた。ナショナルジオグラフィックの世界がそこにあった。あれほどサークルオブライフを感じた瞬間は人生で他になかったし、サファリが人為に管理された自然であったにしろ、それは僕を圧倒するに足る衝撃だった。

そんなサファリの同行者に1人、日本人のプロの写真家の方がいた。

迷彩柄のジャケットにサングラスで自らをMr.Coolと名乗るその初老の男が僕に与えたファーストインプレッションは、「この人キテるなw」だった。

正直最初は、彼が「フリーの写真家でアフリカの動植物を被写体に雑誌に写真投稿している」というのも話半分に聞いていた。

ところが一番最初のサファリで、彼が一眼レフを鞄から取り出しシマウマをバシバシ撮り始めた時、半信半疑だった分驚きと、その姿に何か憧れを感じた。

シンプルにかっこよかった。

人生で初めて息してる写真家を見、2週間行動を共にし、話した。

帰国後、彼の撮った写真の絵はがきが数枚実家に送られてきた。その中にはサファリで一緒に見たシーンが何枚か写っていた。

プロになりたい、とかではなく、いつか僕も一眼レフとやらを首に下げ、写真を撮ってみたい、そう思うようになった。視界を狭くしてるはずの一眼レフのファインダーから覗いた世界は、なぜだかすごく広く、美しく見えた。









今春大学に入学し、5月に初めての一眼レフを購入した。CanonのEOS60D、ちょっと背伸びして中級期。いろいろ迷ったあげく、最終的にパンフレットの渡辺健の「趣味なら本気で」という言葉と彼の目力に押された購入だった。いい仕事するわほんとに。

右も左もわからず始めたカメラは想像以上に難しかった。何かメッセージ性のある、自分らしい写真ってのを撮ってみたくて、晴れた日は700gを首からぶらさげ筋肉痛になりながら近所を歩き回った。











結局これを書いてる今の時点でもスキルはほとんど上達してないです残念ながら。思い通りの写真が撮れなくてしゅんってなることばっかりだけれど、本当に「好き」なんだと思う、続けてられる理由は。

愛機Canonちゃんを首から下げて歩いてる景色は、ちっさなことにも気づいたりして、なんだか世界が違って見えるホントに。旅してるときの感覚に似てるかも。あ、だから楽しいのかな。


(※比較的気に入った写真はPHOTOHITOの方にアップさせてもらってます、よかったら覗いてやってください。)


















話は変わって、先日秋田出身のカメラマン鎌田勉さんの講演を聞いてきた。鎌田さんはアジアを中心に写真を撮られてる方で、徹夜明けの眠い目を擦りながら40分の雪道を歩いた。

講演は秋田ヨルカイギという20人ほどの小規模アットホームな感じの集まりで、鎌田さんのメッセージ入りのスライドを見たり、お話を聞いたり、展示作品を鑑賞した。

とにかく、す ご か っ た 。


「おれもこんな瞬間を切り取りたい」、そう思わせるような写真が何枚もあった。

特に印象的だったのが北インドの写真。インド放浪のとき、一緒にいった親友が訪ねた地だ。(僕は行かなかった。)

「インド」と聞いたときイメージするデリーやカルカッタの雑踏・喧噪とは全く違う、中国ともインドとも異なるチベット寄りの異文化がそこにはあった。エキゾチックな雰囲気。文化の交流点・孤立点のオモシロさを再認識。ヒマラヤの自然の雄大さは息を飲むほどで、子供達の笑顔の愛くるしらしさは世界共通だった。

思わず浮き合いだって、すぐにHISにでも行きインド行のチケットをとってしまいたくなる衝動に駆られるほどの、引力のような何かがある写真だった。

「人は1人で生まれ1人で旅立つ。1人だからこそ『絆』を求めるのかもしれない。」

鎌田さんの写真と一緒に綴られていた言葉で印象的だったものだ。今回の講演会のテーマだった『絆』。鎌田さんの仏教的バックグラウンド故の言葉だろうか。



















「音が聞こえてくるような写真を撮っている」、鎌田さんはそう言っていた。

センスも才能もない勉強不足な僕だが、カメラを本気でやりたい、そうまた強く思うようになった。

誰かに高評価されたいわけでもないし(されたら嬉しいけどもw)、プロになるなんてつもりもない。

ただ、自分が満足するような、空間を、空気を、世界の一瞬を、自分らしさと一緒に切りとってみたい。






















講演後に鎌田さんとお話させていただいた。インドを放浪したこと、来年アフリカを旅すること、写真に興味があること、そんな自分のことを打ち明けたら親切にアドバイスしてくださった。

鎌田さんのアドバイスで昨日の放課後キタムラで50mmの単焦点レンズを購入した。晴れの日が待ち遠しい。

アフリカから帰国後はまた鎌田さんに、そして願わくばMr.Coolにも再びお会いしたい。そのときには僕の切り取ってきた「アフリカ」を見て頂けたらな、と思う。








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