2012年1月23日月曜日

インドシリーズvol.2

第一章 出国・ニューデリー編





7月9日、出国の日、僕と大介は東京駅で落ち合った。格安航空券を購入したためフライトは21時発1時着だった。時間を持て余した僕らはカラオケで時間をつぶしながら「もしインドで死んだらこれが人生最後のカラオケだね〜」なんて縁起でもないことを口にしていた。

夕方、成田までの特急でキセルしようとしたら5000円とられたらしい。記憶にない。

第二ターミナルで保険加入やトラベラーズチェックの手続きをし、なんとなく蕎麦を食い終わった僕らはゲートの中へ入り、最果ての77番搭乗口へ向かった。




デリーについたのは本当にam1時だった。飛行場の中はスパイスと汗の臭いが混ざりあったような懐かしい臭いがした。大介の預けた荷物も無事到着し、とりあえず朝まで飛行場内で時間をつぶすことにした。ロビーの椅子で寝ようと思ったんだけどうるさくて眠れなかった。

朝5時。外も明るくなってきたころ、僕らは飛行場の外へ出た。とりあえずニューデリー市内の中心部に向かうことにした。地球の歩き方に「プリペイドタクシーに乗ったら観光代理店に連れてかれ金を払わされた」みたいな事が書いてあったのを読んだので、距離も相場も分からなかったが、だいたいRs150(1ルピー=当時3円くらい)で乗せてくれる運ちゃんを探した。

空港が斡旋してるタクシーはどれも高かったので空港敷地外を彷徨っていると、「Rs150でいいぞ」とおっさんが言ってきた。僕らは迷わずそのタクシーに乗り込んだ。

し か し !

デリー駅に着いた瞬間、おっさんは豹変。「Rs450よこせ」と言ってきた。「約束が違う」とか色々と文句を言ったが、おっさんタクシー降りて周りにいた通行客に僕らの理不尽さをわめきちらし始めた。周囲もおっさんに加勢。理不尽なのは間違いなくお前だっ。「じゃあ空港まで戻れよ、金は払わねえぞ」とプレッシャーかけてみたら本当に空港まで戻ろうとしやがったので、疲れていた僕らはもうこのやり取りに嫌気がさし、Rs400をくしゃくしゃに丸めておっさんに投げつけて逃げた。

こうしてインドの洗礼を見事に受けてしまったダイスケとアキラであった。



そんなこんなで宿探し。地球の歩き方で見つけたAshoka Guest Houseを目指した。客引きのウザさに閉口しつつも、露天で南京錠を買いAshokaにチェックイン。一泊Rs150の安宿。路地の奥にあって暗い。ボットン便の底でコオロギさんたちが大合唱してること以外はまあ許容範囲内だった。

コオロギの断末魔響くバスルーム

宿も見つかり荷物を肩から降ろし、気分一新、街を探索することにした。さっきまで静かだった街は太陽が登るにつれて活気を増していた。道端には露天が並び、街の喧噪がむし暑い大気に鈍く響き渡っていた。そこは異郷だった。言葉も人種も文化も、全てが日本と違う、自分の常識が通じない場所。第六感のようなアンテナが体の回りに張り巡らされるような感覚を覚えた。

僕らは地図を頼りに、とりあえず街の中心部・コンノートプレイスに向かった。

通りを歩く僕。

スパイスの店。このニオイがそこら中に満ちている。
ニワトリが売られていた。
公衆トイレ ハエを撃ち落とすゲームみたいだった。
草をもつおばちゃん。首痛くないのか不思議。
ゲストハウス前の通り。こんなほっそい通りに車はいってくんなよな、
ってマジで思う。ほんと足の指先5センチくらいのとこをタイヤが通っ
てく。



散策しながら歩く街は楽しい。発見の連続。道端に落ちているゴミにすら興味がわく。そして徐々に異郷のニオイが身に染み付いていくのを感じる。

コンノートプレイスはどこの店もシャッターが閉まっていた。ここで1人のインド人少年(16歳)に出会う。ガッツガッツ話しかけてくる。超肉食系。こうやって案内して金をとる作戦かななんて考えてしまう。特に予定もなかった僕らは着いて行くことにした。

左が少年。右が大介。一緒に飯食った。

すると、案の定観光代理店に連れて行かれた。さすが北インドの窓口デリー。「まあ話だけでも聞いてみよう」と思い、代理店のオヤジに観光地や長距離バスの値段の話を聞いた。

プランレスだった僕らは「まあ次はアグラーまでタージマハル見に行くか」みたいなテンションだったのだが、ここでこのオヤジに怒濤の勢いでジャイプールを推された。「ここまできてジャイプール行かないのはバカだ」とこのオヤジに言わしめるジャイプールについて僕らが持っていた知識は0で、どこにあるのかすら分からなかったが、なんとなくいいニオイがしたので行ってみることにした。こういうアバウトさが自由放浪の醍醐味なのである。

その後少年にしつこく色々な高級土産物店に引きずり回された。Rs500以上する紅茶屋で試飲したマンゴーティーは実に美味しかった。以前ここにきた日本人観光客が書いたノートがあり、そこに「木村拓哉」の名前があった。クソ汚いアラビア語みたいな文字で「今度しずかとこようと思います!」とか書いてあったのを見て笑った。

次に連れて行かれた服屋ではインド服を一着買ってしまった。上下でRs500。ぼったくり。そのおかげでやっと少年から解放された。

一旦宿に戻ろうとした帰り道、どこを見渡しても外国人観光者には必ずインド人1人が付き添っていて笑った。実にインドである。

太鼓売りに付きまとわれる大介。クソみたいな値段までまけさせて、結局購入。
買った服。

宿で少し休憩し、さっき買ったインド服に着替えて、再び街に繰り出した。気分はインド人。とりあえず観光でもするか ってことで、インド最大のモスク(らしい)へ向かった。

駅前の商店街にて。僕。
駅前の商店街にて。だいすけ。
屋台で飯を食う僕

なぜか道端に金属探知機。ゼッタイ意味ないだろ。

定員オーバーなんていうふぬけた概念は存在しない。

モスクまではリキシャを使った。リキシャってのはバイクタクシー
みたいなので、2、3人が乗り込める安い交通手段だ。
交通ルールなんて概念がないインドでは、車やタクシーやリキシャが常にクラクションを鳴らしている。狭い車と車の間をぎりぎりですり抜けて行くリクシャに乗るのはディズニーランドのアトラクションに追加できるくらいスリリングかつエキサイティングだった。イニシャルDみたいなノリで、ゲーセンのアーケードに「リ キ シ ャ」っての作ってもいいとすら思う。
  
モスク前の通りではヤギの頭を切っていた。



そんなこんなでモスクに到着。モスクは確かにでっかかった。日陰は涼しく、石の床は少しひんやりしていた。休憩したらへんなおっさんやってきて「I am very young,so give me money」と金をせがまれた。全く持って意味が分からない。働け。

モスク前の階段にて。
思わず休憩。ひんやり。



立派なモスクだった。
次に露天市を通過して観光名所らしき別の建物を見に行った。市場は活気に溢れていた。インドエネルギー。おそるべし。



入場料Rs250(外国人料金。インド人はRs15)のムガル帝国の砦だったとかいう歴史的建造物は、ただただ巨大なだけでつまらなかった。こういう類の観光地は得てして歴史が分からないとつまんない。高い金払ったのになーとか言いながら人間観察で暇をつぶした。警官がマハラジャチックでインドを感じた。 

一応記念撮影。
地元の人と仲良くなった。
マ、マハラジャが銃もってる!!


宿への帰り道のリキシャの運ちゃんは、すげえ寄り道をしたがっていた。まっすぐ駅に行ってくれ。駅裏で降ろされたので、ふらふら散歩しながら、途中で寄った店でインドで初のカレー。美味。

大衆食堂や露天のカレーはこうやってプレートに何種類か乗って出てくる。
宿に戻ると疲れがドッと押し寄せてきた。一日中歩き回ったから当然か。「歩き疲れて眠る」 、最高だな。初日からいろんなトラブルや出会いがあった。これから起こる全てに期待しながら、Ashokaの薄汚いダブルベッドの上で相棒のイビキを聞きながら、最高の眠りに落ちていった。








7月11日

翌朝、目が覚めたのは9時だった。目覚めて一瞬自分がどこにいるのか分からなくて焦る。そして「ああ、おれインドきたんだっけ」って思い出す。たったこれだけのことがすごく楽しい。

デリーで特に見たいものも無かった僕らは、移動できるうちに早速動くことにした。Ashokaをチェックアウトし、他ホテルのロビーでアグラー→バラナシの夜行列車のチケット購入。Rs1100。アグラーでチケット取れないことがある、って噂を聞いたからデリーで先に取っておくことにしたのだ。

チケット発行の間にたまたま目に留まった日本語の看板。ここで昼食をとった。

欧米ヒッピーが多かった。「主食はマリファナです」みたいなドレッド野郎がいた。

チケット入手後、次は夜のジャイプールまでの夜行バスのチケット売り場を探しにインド門へ。インド門は大きかった。けど門の周りには立ち入り禁止のロープが張られていて、門をくぐることはできなかった。こんなに門のアイデンティティ失った門は初めて見た。インク出ないボールペンレベルだろこれ。


後ろに見えるのがインド門。
インド門前の噴水で子供達が水浴びしていた。カメラを向けると喜んでいた。
それにしても水の色がファンシーすぎる。










バスセンターはかなり探しまわって人に聞きまくってやっと見つけた。チケットは「こんなんでいいの?口論しないの?」ってくらいにアッサリとれた。Rs300。ただ、僕のチケットの性別欄が「F(Female)」にチェックされてた。


バスは夕方に出発した。旅行者は僕らだけだった。途中、急にバスが止まって、「なんだなんだ」と思って窓の外覗いてみると、



 牛が歩いてた!
ついでに毛濃い裸のおっさんも歩いてた!


インドではよく牛のせいで渋滞が起こる。列車やバスも牛のせいで普通に止まる。なんとも異様な光景である。実にインドだ。感動した。

 バスの中では音楽聞いたり寝たりしていた。ジャイプールに到着するのは夜中になるらしい。どんな街なのか、何があるのか、結局何も分からないままチケットの購入に至った。

観光代理店のオッサンに騙されただけか、それともそこに何かがあるのか!?



次章 「ジャイプールで万里の長城」につづく!















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3 件のコメント:

  1. 続き楽しみにしてまっせー。
    糞の水たまりとかコオロギトイレとか嫌やわー。
    でも楽しそうね!

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  2. >>こじ ありがと!気長に続編まってくりゃんせ~ でも危ないのとか汚いのって、なんか不思議な魅力あるよね~

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  3. >>mephedroneさん

    ありがとうございます^^これからものぞいていただければ幸いです。

    返信削除

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