2013年3月4日月曜日

ブログタイトル変更のお知らせとお願い。


ちょうど1年前の今、僕は千葉県茂原市にある日本ヴィパッサナー協会支部の施設にいた。誰とも喋ることなく、目を合わせることもなく、音楽や筆記など一切の娯楽を禁じられ、朝の4時から夜の9時半まで寒空の下ひたすらに瞑想を続けていた。友人諸兄からは「頭がオカシイようだ」と評された。結局折り返し地点であるコース6日目にして瞑想から脱走、からの迷走していたわけなのだが、今思えばヴィパッサナーも良い経験で、良い話のネタになった(その時の記事はコチラ)。すっかり住み慣れた秋田の地を離れ、大都会トーキョーの高層ビルの隙間を歩いていたこの頃から、僕の中では「旅」が既に始まっていた。

実際に日本を発ったのは3月の12日。成田空港で、友人2人に見送られてアブダビ経由モロッコ・カサブランカ行の飛行機に飛び乗った。空港で買おうと思っていたタオルや歯ブラシの類はことごとく買い忘れ、何だかよく分からない物ばっかりが詰まった新品のバックパックの予想外の重さに驚いた。受験・浪人と長らく束縛された忌々しい生活を送っていたので、初めてバックパッカーをした高校2年夏ぶりのイミグレーションは魔界の門に見えた。友人2人にはカッコイイ旅立ちを見せたいと謎に強気でヘラヘラ笑っていたが、煙草を持つ指は震え、握手を交わす手のひらは汗ばんでいるのが自分でも分かってしまうくらいだったから、救いようが無い。ろくな情報収集もせず、空港到着後のプランも未定で、これから飛び込もうとしている未知の世界は夜の闇よりも深く暗く思えたが、不思議と気持ちが高ぶる自分がいた。沢木耕太郎さんも石田ユウスケさんもこんな気持ちだったのかな、と思うとなんだかいっそ楽しくなった。あの時の不安とも期待ともつかぬ興奮は、今でも昨日のことのように覚えている。もしかしたら旅人を自称する全ての人々は、あの気持ちをもう一度と、気づけば空港に向かっているのかもしれない。

ナイル川/スーダン
あれから1年が経った。たった300日、たった12カ国だったが、数えきれない程の風景に出会い、日本に留まっていたら間違いなく出会えなかったであろう人々と対話し、何度も笑って何度も泣いた。幸運にも五体満足で帰国し、おそらく病気も持って帰ってきてない。「原体験の1年だった」と一言で済ませてしまうにはあまりに勿体ないほどの時間を過ごしてきた。

今、僕は山形県蔵王のホテルで住み込みバイトをしている。早朝から中抜けシフトで一日8時間以上と、人生で初めて寝ても覚めても「働いて」いるわけだが、まさか蔵王でリゾートバイトをするなんてことは、1年前の僕は想像すらしていなかった。人生というものは実に先の読めないものだ、などという在り来たりの再実感を胸に、それなりに苦悶しながら日々を過ごしている。

1年。時間が過ぎるのは本当に早い。それ故に、忘れがちな日々と思いを記録し、その瞬間の自分を真空パックしておくのは、なかなかに有意義だと思っている。何より、この1年を経て自分は文章を綴るのが好きなんだと気づいた。もともと旅を契機に始めた、当初内輪の報告目的であったこのブログも、今では当時思いもしなかったくらい多くの方に見てもらっているようで、これは素直に嬉しい。「評価されて初めて価値が分かるんでしょ!」と大好きな漫画「ソラニン」のヒロイン芽衣子さん(ちなみに芽衣子さんは秋田出身。いいだろ。)も言っていたが、他人に見てもらえることで張り合いが出るのは事実だ。

僕の「旅」は終わったが、これからもこのブログは書き続けてゆこうと思っている。今まで通り、日常の記録や短期休暇の海外渡航に加えて、今後は「秋田紹介」と「医学部紹介」的な記事を書いていけたら、と未だ雪深い蔵王の地で考えている現在だ。

「秋田紹介」———震災の影響もあって、東北を訪れる観光客が減ったという話は度々耳にするし、そもそも秋田に来る旅行者の絶対数はかなり少ないように感じる。「国立医学部ならどこでも良い」と口にしていたら、気づけば秋田の地にいるのもきっと何かの縁なのだろう。ということで僕による秋田の土地土地の紹介なんていう誰が得するかも分からぬコンテンツも書いていこうかな、と。僕自身が秋田初心者で、語れるほど秋田を知らない訳だが、住み心地だけでなくなかなかに良い雰囲気の地だなあなんていうのは常々感じているので、これは自分自身のためにもやっていくつもりだ。

「医学部紹介」———昨今医療ドラマや現役医師による小説にスポットライトが当たることが多くなった。医者がテーマのドラマも本も漫画もある。「大学生がテーマのドラマも本も漫画もある。が、医学生、となると世間様の需要は一気に下がるようだ。医学部、特に医学科というのは大抵の大学において他の学部とは隔絶された、極めて内向きなコミュニティを形成している傾向がある。「医学生って何を勉強してるの?」「何科にいく予定?」と旅中に問われる事も多かった。それほどに意図せざる不透明性を保っている不思議な環境に身を置いているのは、否定できない事実だ。4月からは本格的な医系講義が始まろうとしている。それに合わせて「医学生」にスポットを当て、と同時に僕が医師になるまでの道程の記事なんかも書けたらいいなと、これまた誰が得するかも分からぬ事を冬将軍が未だ狂喜乱舞し続ける蔵王の地で考えている。

要は、ただでさえ存在価値が微妙なこのホームページが更にその微妙さを増す、ということである。ライフハック系でもノウハウ系でも何でも無い、日記を長くしたような自己満足度の極めて高いテーマで、今後も不定期ながら淡々と発信を続けていく。今後も付き合ってくれる心優しき方々は、是非僕が医師として日の目を見るその日まで付き合って欲しいと願っている次第だ。

そして長い前書きを終え、ここからが本題。こういうことをするから文字数ばかり増えて読者数は減少の一途を辿るのだ。実に世知辛い。

今後の謎な方向性も決まったところで、ブログのタイトルなるものを変更した。そもそも、前タイトルである「PLANET EAETH!!!」はご覧の通りテキトーさに輪をかけたようなそれで、事実テキトーに決めた。引用元はトイレの張り紙である地球のポスターだ。ここまで長く自分が更新を続けるとは思わなかった故の失態である。

新しいタイトルは「DOCTOR in EMBRYO」とした。これのセンスを問うのは一先ず部屋の隅にでも置いて頂きたい。EMBRYOというのは日本語で「胚」という意味で、doctor in embryo医者のタマゴとでもいった意味になる。どこかで昔聞いて頭に残っていた言い回しだ。間違っていたらただの恥さらしだから、あえて指摘する際はメールでコッソリとお願いしたい。

と、心機一転タイトル改変に伴ってブログURLも変更した。当然今までのブログのリンクや、読者諸兄のブックマーク(にもし入れて頂いているならば)やリンク先も無効のHPを指し示すウェブの藻屑になってしまった、という訳だ。

そこで大変誠に恐縮なのですが、ブックマーク・リンク先を新規URLへ変更して頂きたいと思う次第であります。いらん手間をかけるな、というお怒りはごもっともです。もう二度としないんで許してください!



以上、若干の回想と、どうでも良い報告でした。医療系学生のブログランキングなるものも始めたので、興味あれば覗いてみてください。

にほんブログ村 大学生日記ブログ 医大生へ

0 件のコメント:

コメントを投稿

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...