エチオピア編突入

スーダン首都ハルツームには１０日間と、予定以上に長居してしまった。


・窓の無い常に３６℃あるサウナみたいな部屋で４日間ネズミとゴキとの共存
・リョウヘイさんの誕生日に高級ホテルでバックパッカーにあるまじき超絶リラックス

・石田ゆうすけさんと同時期にチャリで世界一周してた佐藤さんにスーダンのアレコレを質問
・市場できゃぴきゃぴしながら買い物
・その場の流れで砂嵐吹き荒れカマドーマが蠢くべジラウィヤ再訪

・皆で自炊して日本料理やら得意の一品を披露

振り返ってみるとなかなかに楽しんだ１０日間だった。


もっとも、ずるずる長居した一番の要因は他の旅人から「エチオピアは相当ウザイ＆キタナイ」と聞いていたからだ。自称ガイドのぼったくりや南京虫だらけのベッドはもちろん、バスに乗るのもいちいちめんどくさいとか。終いには「エチオピア人＝知恵をつけたエジプト人」なんて評も聞く始末だ。


そんな訳でエチオピア行きを先延ばしにしてきた訳だが、６月２８日、重い腰を上げて旅立つことにした。




◆




朝６時、ハルツーム市内のMiledberyBusStationで国境の町ガラバット行のバスを探す。朝っぱらからウザイ連中に絡まれイライラしながらも難なく見つけたそれは、「え、このバス動くの？」みたいな中古車。


冷房は一応効いているが、異臭がするのは言うに及ばず、何故かエアコン口から水が振ってくる。とんでもねえ！


エチオピア国境まではおよそ６００キロで、到着したのは夕方５時ころだった。黒人が多く、それ以上に声かけてくるウサンクサイ奴が多い。あまり雰囲気のよくない町、そんな第一印象。


明るいうちに国境を越えるべく、イミグレーションやら指紋採取やら荷物チェックやら電子機器登録（無料だけど無駄に待たされた上におそらく意味なし）を済ませる。初の単独陸路国境越えだったが、イマイチどこまでがスーダンでどこからがエチオピアか分からず、なんだか損した気分。


しつこく付きまとう自称案内役の男（後で当然金請求された）を適当にあしらいながら一番近くのホテルに宿泊。街灯に巨大な羽蟻が群がってる。キモイ。若い黒人の兄ちゃんたちがラッパーぶりながら「Yo!Wassup!」って連呼してる。ウルサイ。


荷物を部屋に置き両替を済ませ、早速カフェへ。もちろん早速注文したのは・・・

ビール！！！

スーダンではイスラム教けっこ厳しくて３週間禁酒していた。手に入るには手に入るらしいけど、ハイネケン一本８００円するとか。


「エチオピア、ビールは美味い」


旅人が口にするその言葉を勇気と覚悟に変えここまでなんとか来れたのだが、久しぶりのビール、マジで美味かった。キンキンに冷えてて、なんていうか魂まで染み渡る。思わずオッサンみたいな声が出る。


この時のビールの味は一生忘れない。音楽と煙草とビール、これだけあれば自分は十分幸せでいられるって半ば本気で思っちゃう。


両替したてのエチオピア紙幣・ブル（１B＝約５円で計算してます）でビール代を払った。まだ慣れない紙幣。一枚一枚たどたどしく確認しながらの勘定。こういうとき「ああ、始まったんだな」って実感する。


ご当地煙草「Nyala」を吸いながら、今始まらんとするエチオピアの旅に想いを馳せ、気を引き締めなおした。






ってなわけで、エチオピア編、スタートですっ！














((備考))
ハルツーム→ガラバットのバス内で一緒だった日本人旅行者が国境でエチオピアビザ取ろうとしたけど無理でした、ネット上ではアライバルで取れるって情報が流れてるらしいけど2012年7月現在不可能と思われます。ご注意ください。
ちなみにエチオピアビザはスーダン・ハルツームでも取得可です。即日発行２０＄なんでカイロで取るよりお得っす。場所は飛行場西側にあるMuhanmadNajebSt脇、墓地の横です。