バハルダールから絶景の山道をローカルバスで走ること、およそ10時間、エチオピア首都・アディスアベバに到着した。アムハラ語で「新しい花」を意味するアディスアベバ、気をぬくと「アババババー」なんて噛んでしまいそうな名前である。
北部の他都市同様、標高2300~2500という高地に位置し、毎夕の激しい夕立後はジャケットが必要なほど寒い。まさかアフリカに来てこれほど凍えるとは思わなかった。たまに雹降るし。
ホームレスや物乞いも多い。あちらこちらで寝ている。 |
そんなアディスは歩くのもままならないほどの大都市。規模だけで言えば世界でも数番目に大きい都市らしい。高層ビルや4車線の道路があるかと思えば、そこをヤギが歩いていたり、中心部から外れるとドブ川脇のトタン屋根に暮らす人々がいたりと、都会と田舎がミックスしたような独特の雰囲気の街だ。
他都市でもそうだったが、イタリア統治時代の影響で、ここアディスにもイタリア料理のレストランが多い。インジェラに脅かされることなく悠々と過ごしているうちに、気づくと一週間が経っていた。
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そんなアディスでは、これまたオモシロイ出会いがあった。
小川さん(左)とそのへんの少年(右) |
~三位一体教会~
三位一体教会の正面。エチオピアンクロスがお洒落。 |
ラリベラの岩窟教会とは違い、ヨーロッパ的な教会。 |
ステンドグラスが美しい。 |
祈るおじいちゃん |
荘厳な雰囲気。やっぱ教会はこうでなくちゃ。 |
ミサ?やってた。さすがは原始キリスト教、まるでアザーンのような音楽や、煙たいくらいのお香、謎の行列行進、杖で床を打ち鳴らす、などなど、独特の祈りだった。 |
天使とエチオピアの三原色 |
~国立博物館~
ここがメインエグジビション。入場力は10Bと安い。 |
地価をいれて4階あり、絵画や出土品が飾られていた。この絵はお気に入りの一枚。エチオピア版FFみたい。 |
ルーシー(350万年前の二足歩行原始人の化石)のレプリカと記念撮影。思ったよりちっさかった。 |
隣設の写真館。入場料無料。写真自体もだけど、建物の雰囲気が良かった。 |
結局会いにいけなかったムルシ族の写真。前歯抜いて唇びろーんて伸ばしてお皿はめてる。ホテルでムルシ(皿なし)の人見たけど、なかなか奇抜。 |
写真館の受付?のお姉ちゃんはクソ美人!「エチオピア、美女が多い」は真でした。隣にいる頭でかい気持ち悪い生き物が僕。 |
~温泉~
フロワホテル?(歩き方に記載あり)のSPAは宿泊客じゃなくても使用可!1stクラスで70B石鹸タオルつきだった。お湯はぬるぬるってしてあっつい!最高にくつろげるんで、マジでオススメです。僕らは2回行きました。 |
~マルカート~
東アフリカ最大規模と言われるマルカートは巨大な市場。この足縛られた鶏が道路に並べられてるのはかなりショッキングな光景だった(このへん下水やらゴミだらけで超臭い)。 |
エチオピアではビル建てるとき、未だに木製の足場使ってる。ぐねぐね曲がってるし、だいじょぶなんかって心配になる。 |
マルカート。治安の悪さもさることながら、物凄い喧騒。舗装されてない泥道に無理矢理はいってくる荷下ろしのトラック、でっかい荷物を頭に載せ歩く人々、ありとあらゆる商品が並べられていた。カオス、そんな言葉がぴったり。はちゃめちゃすぎて何故か笑えくるほど。一眼レフ持ってったけど大丈夫でした。小川さんは唾吐きかけられてたけどwww |
土産物もマルカートで買ったほうが絶対安い。僕はでっかいクロスのネックレス購入→30B。 |
~ライオン像~
セラシエ皇帝はライオン大好きだったらしく、市内のメインストリートんはエチオピアンクロスを掲げたライオンが。 |
こっちはまた別のライオン像。違う趣がある。下手なアートオブジェより全然かっこいい。 |
~オフショット~
アボガドジュースは絶品!おすすめはBaroの坂下って右折し直進、おっきな道路越えて右手にあるTOMOCA COFFEEの隣にある果物屋さんのやつ。冷えてて美味い。 |
「1ブルくれー」とか言ってた少年を逆におっかけて捕まえた瞬間。「つかまったあああああ」って心の声が聞こえてきそ。 |
露天で木製のエチオピアンクロス(一個2Bくらい)を買う小川氏。 |
ロンドンの帰りにエチオピアへ短期で訪れた小川さん、彼の目的はシャシャマニと呼ばれるラスタマンの村を訪れることだった(ラスタについてはコチラを参照)。
結局小川さんは3日間単独シャシャマニに行ってきたが、旅行者の間では悪名高いシャシャマニのラスタマン(囲まれて殴られたり物盗られたりが多発)相手に一歩もひるまず、むしろ彼らがリスペクトするジャマイカのアーティストと友人であることから尊敬されたそうだから驚きだ。
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大学時代は哲学科に所属していた小川さんの話は興味をそそられるものばかりだった。
エチオピア最後の皇帝にしてラスタファリアの象徴的存在、ハイレ・セラシエ(詳しくはコチラを参照)がかの有名なソロモン王の子孫と言われてること、日本人の祖先はユダヤかもしれないこと、日本における地名や物名がヘブライ語の発音と極めて類似していること、神輿とアークの形が酷似していること、徳島の山奥にアークが眠っていると信じ調査している人がいること、多神教である神道は一神教であるユダヤ教から派生したという説もあること...
遠い世界の歴史だと思っていた事々が自分の母国と繋がってるかもしれないというのは、都市伝説であったとしても、実にロマンだ。
また、彼自身の人生も自伝にできるんじゃないか、ってほど奇想天外だ。ヒッピーの父親を持ち、中学のころからレゲエにハマり始め、高校の入学祝いでジャマイカへ行った小川さん。
その後もレゲエの聖地ジャマイカにかれこれ7年通い続け、時にはNYのキャバクラで働き、トロントでもDJとして評価されているというからスゴい。自分と5歳も変わらないのに、人生の経験値がハンパない。
小川さん曰く、「アフリカにいる日本人にロクな奴はいない(いい意味で)!」と言っていたが、ほんとにその通りである。笑
帰国後は日本で「誰かの心に響く音楽をつくる」と語っていた。CDの売り上げ減少など、決して楽ではない音楽界の苦労話も聞いた。そんな時代の中で、自分の「信念」を持ってる人だった。ほんもんのアーティスト。かっこいい。
最終日、コミカルなエチオピアアートが飾られたローカルなバーで、小川さんの音楽(タワレコとかで売ってそうです、是非手にとってみてください!)を聞いた。エチオピアのバーでジャパニーズレゲエ。しかもそれを歌う人が隣でビールを飲んでる。なんとも不思議な気分だったが、音楽が最高に心に染みた。
「若者はもっと冒険すべき!」
最終日の夜、小川さんの言っていた言葉。「就職して親を安心させるのももちろんイイことだけど、自分の人生しっかり生きろ」、自らそんな人生を歩んでいる彼の言葉には重みがあった。
繰り返しになるが、旅における「出会い」は、本当に魅力的。日本にいたらこの日本のレゲエ界の大物に出会うこともなかった。予想外の人生の交差は閉じこもってちゃ得られない。
エチオピア入国から、旅4ヶ月目のせいか大雨季なんていうふざけたシーズンのせいか、なんとなく倦怠期気味だったけど、小川さんとの出会いで元気でた気がする。
若者よ、旅に出よ!(byクラーク博士)
追記
南部の部族訪問およびダナキル(活火山・硫黄湖・世界で2番目に低い土地)ツアーは今回は見送ることに。運悪く(というかリサーチ不足)シーズンオフだったのが理由。
ホテル情報
・TauitoHotel→ツインルーム一泊165B アディスの老舗ホテルで、お湯シャワーあり、レストランは中級ホテルばりのゴージャス感
・BaroHotel→ツインルーム250B、シングルルーム170B 情報ノートあり
・WutmaHotel(オススメ)→シングルルーム150B wifiあり、レストランあり レストランはそこまで高くなく、何を頼んでもハズレなし オススメはミートスパゲッティとビーフライス キャッシャーのお姉さんカワイイ
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本日アディス最終日!今朝国境行のバスチケット予約してきました。
明日からケニアに向かって南下します。
東アフリカの移動の中で最もキツイしアブナイと言われるアディス→ナイロビのバス。
果たして無事ナイロビへ辿り着けるか!?
若者はもっと旅をすべきか…。いい言葉だ。
返信削除でもそれは俺みたいな年でも当てはまる言葉だね。
外を見ないと人間は大きくならないからなぁ。
井口君はでっかい人間になるね!(^^)!
追伸…アボガドジュース飲みたい!