2012年11月24日土曜日

ゾンバープラトーハイキング



「ゾンバプラトー」、ゾンバの中心街から徒歩15分程の場所に、街中からもよく見える小高い山が聳え立っている。チズムル島での湖に囲まれた生活の後だと、山がある景色、というのは一層に新鮮だった。

僕はキリマンジャロとメルー山を曲りなりにも登った男である。山があれば登る、そこに理由は無かったし、こんな名も知られぬ小山など丘のようなものよ!と、大した根性も体力もないくせに謎の自信を胸に山へと向かった。


山、と言っても、頂上付近に見晴らしの良い高級ホテルがあるようで、そこまでの道のりは普通の舗装路。蛇行しながら伸びる木々に囲まれた道をiPodのマイブームプレイリストを聞きながら歩き続けた。2時間ほど歩くと山の斜面側からはゾンバ市街が一望できる見晴らしの良い道が続いた。ここからはマラウィ湖は見えず、「マラウィ=湖」なんていう勝手なイメージを持っていただけに、この国の新しい一面を見つけたような気がして上気分だった。


しばらくすると杉のような高い木に両側を挟まれた道が続いた。なんだか日本の山のようなホッとする懐かしい風景だ。木材を器用に頭に載せ麓へと運ぶ人々と度々すれ違ったが、皆とてもフレンドリーで「ハローハウアーユー?」と声を掛け合った。


頂上に近づくと、街からは見えなかった山々が更に東へ東へと連なっており、緑の多さと静けさが幻想的な雰囲気を醸していた。SUNBIRDなる見晴らしの良い高級ホテルで自分へのご褒美と称して昼食を食べに行くと、ビュッフェが約1000円だった。マラウィでの1000円は現地の物価にしてみればかなり高いが、高級ホテルのビュッフェで1000円は安い。話は逸れるが、首都リロングウェのそれなりに格式の高そうな中華レストランでさえ、食べきれない程の激ウマ中華を頼んで1000円しない程だった。イイものを比較的安く食う、マラウィの楽しみ方としておススメしたい。



と、本当は更に登ったところにあると噂のビューポイントまで行く予定だったのだが、ホテルであれもこれもと2回戦半までダラダラ昼食休憩するうちに時間が亡くなってしまったので、仕方なく翌日、もう一度ゾンバプラトーへ赴いた。




翌日、何の標識もないけもの道をそこら中に茂っているベリー類を口にしながら歩き続ける。クイーンズビューなる見晴らしの良い名所があるとの噂だったが、よっぽど暇でもない限りまあまず観光客は行かないだろう。そのくらい、道に迷った。

4時間近く山道を彷徨い続け、昼下がりにようやくクイーンズビューを意地で発見した。そこは本当に静かで誰もいなくて、葉が風に揺れる音が気持ちよく木霊していて、気づけば昼寝していた。地平線は白く霞んで絶景とは言い難いが、苦労した甲斐がある景色だった。



帰り道は割と悲惨だった。水がなくなってしまい、湧き水を汲んで渇きを癒した。完全に森の中に迷い込み、苔生しぬかるんだ岩で滑って10mの崖を落ちかけた。川の跡を見つけたときは心底助かったと安堵のため息が出た(それを下れば地上には出るだろうから)。

山道の入り口になっているダムに辿り着いたのは夕方だった。あとで気づいたのだが、このダム、マラウィクワチャ紙幣に印刷されているダムで、水不足に喘いでいたゾンバ近隣の多くの住民を救ったらしい。マラウィ湖を見た後だからというのもあって、湖というより池のような幾分かスケールの小さい貯水地ではあったが、そこが夕日に照らされオレンジに染まっていくのは綺麗で静かで、夢見心地な風景だった。



ゾンバ訪問の際、もし時間があればゾンバプラトートレッキングおススメです。SUNBIRDのビュッフェは是非食べて欲しい!ダムのほとりの芝生で一日リラックスも最高です。

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