ナミビア首都ウィンドフックから南アフリカ南西端ケープタウンまでの約1600kmを、16日間で南下を試みた。我ながら、人生レベルで無謀な企てである。
「1日100km漕いじゃうぞ~!」とか言いながら、結局実際漕 いだのは全工程の約半分の760kmくらい。ナミビアの地獄のよ うな暑さ、南アの鬼のような坂道、そして毎日午後になると吹き始 める南からの向かい風。イライラしすぎて誰もいない荒野で蝿にマ ジ切れしたり、真剣に漕いでも時速6キロとかしかスピードでなく て「もう知らねえからな!?」とか叫びながら道路に倒れたりして た。
『なんでおれはチャリ漕いでるんだ?』
ペダルを漕ぎながら、何度も何度も、気づけば自問自答していた。 予想を遥かにしのぐキツさ。「バックパッカーでバス移動してると 見逃しちゃう小さな村とかで地元のひとと語らいたい」、そんな思 いもあって始めたチャリダーだったけど、村なんてのは一つもない 無補給地帯をただただ走り続けた。そもそも
『なんでおれはチャリ漕いでるんだ?』
ペダルを漕ぎながら、何度も何度も、気づけば自問自答していた。
おれはインドア派の人間なのになんでこんなクソみてえに日焼けし てんだよ、って17回くらい思った。
でもでも、最高だった。
多くの人に助けてもらった。上り坂のあとの下り坂のように、悪い 事があった後には必ず良い事が待っていた。空は雲ひとつなく黒い ほど青くて、金色に光る一面の牧草地帯では羊たちが草を食んでい て、街にたどり着いて飲むコーラは最高に美味かった。2週間とは 思えないほど思い出の残り方が密だ。
単調な単純作業の連続は、物質的にも精神的にも、いらないモノ、 を削ぎ落としてくれた。自分の中の音がうるさいくらい全てが静か に感じる瞬間があって、それをさらに超えて何も聞こえず感じない マッシロになる瞬間があった。その心地良さは忘れられない。
でもでも、最高だった。
多くの人に助けてもらった。上り坂のあとの下り坂のように、悪い
単調な単純作業の連続は、物質的にも精神的にも、いらないモノ、
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