2012年5月6日日曜日

ダイビング、始めました。<前編>



シナイ半島海沿いの小さなリゾート、ダハブ。またの名を、「恋するダハブ」


当初の予定だとエジプト入国は最後(アフリカ西回り)だったので、ラストはダハブで恋でもして日本に帰国!って妄想をしていた。まあ、実際は最後は西アフリカ北上っていう苦行コースなんだけども。

ダハブへ行くことは出国前からの決定事項。その理由が「スキューバーダイビング」

ここダハブは世界有数のダイビングライセンス取得格安スポットとして有名で、綺麗な海と安い物価が多くの定点観測者(沈没旅行者とも呼ぶ)を生み出している。

スキューバーダイビング---その響きだけでもカッコイイのに、海の底へと最大30m潜れるというのだ。履歴書の資格欄に「ダイビングライセンス」と書けるのも悪くない。

「日本で講習を受けると時間もお金もかかってしまう、せっかくだからやってみよう、それに『初ダイビングは紅海です』ってかっこよくね?」、そんなノリだった。





ダハブにはDeepBlueSevenHeavenという有名な日本人宿が2つあり、ダイビングの講習はそこで日本語で受けられる。

「DeepBlueはいいぞークセがあってオモシロイぞー」、モロッコで渋イケメンバックパッカー・ヤスさんからそう聞いていた僕は、迷わずDeepBlueに宿泊することにした。

僕の到着した日はもう既に講習が始まってしまっていた。申し込みが2人以上だと100$近く安くなるので、誰か同じダイビング初心者が来るのを待ち続けた(この待ち続けてる期間は信じられないくらいダラダラしていたが、たくさんの日本人との出会いがあった。だが女子大生はいなかった。)

そして一日三冊をノルマにしていた銀魂のコミックス21巻を読み終えようとした頃、ついにダイビング希望者が現れた!「もし誰もこなかったらもう一人で始めちゃおう」なんて思っていた矢先である。日ごろの行いが良いとしか思えない。

こうして僕のダイビングライセンス取得への物語が始まったのだった。そして、この時の興奮しきった僕には、これから起こる大事件など知る由も無かった・・・。




4月28日 オープンウォーターコース 1/3日目

講習は「オープンウォーターコース」と「アドバンスコース」の2つに別れており、前者が3日間、後者が2日間の二部構成。

費用は合わせて$405。オープンだと10m、アドバンスまでとると30m潜ることができる。

この日はオープン初日。朝6:30に目覚めた。ちょ、緊張しすぎw

宿題(教科書読んで答え埋め。大学生になった気分だった。)の答え合わせや書類手続きを終え、機材の説明を受ける。

ウェットスーツ着ると碇シンジの気分。エントリープラグ乗れちゃいそうな気分。

その後タクシーの荷台に乗り込み、LIGHT HOUSEというビーチで早速ダイブ。沖に流されたり、酸素なくなっちゃったりしたらどうすんだろ、なんてちょいビビりながら酸素ボンベを担ぐ。

水の中、セカンドステージを咥えて呼吸する。思ってたより全然普通でびっくり。陸上で息してるのと変わらないくらい。水面へと登っていく気泡が眩しい。

マスククリア(水中でマスクに入った水をぬく技術)とかのスキルをいくつか練習。

この日は10mまで潜った。思ってたよりも水面が近く見えるのは屈折のせい?

耳抜きも問題なくできた。

ダイビング楽しい!






4月29日 オープンウォーターコース 2/3日目

酸素ボンベ。10キロくらいある。重い。
朝の機材セッティング風景。

オープン2日目。この日は2本潜った。場所は昨日と同じLIGHT HOUSE。

ウェットスーツはパツパツで着るのも脱ぐのも億劫。

潜ってるとき水面を見上げたら、欧米人の樽みたいなオバチャンが浮かんでたのが最高におもしろかった。

空飛ぶハム。思わず噴き出してしまい海水飲んだ。

岸からさほど離れてないあたりにも珊瑚やキレイな色した魚がいっぱい。

スイミーの群みたいなのが可愛かった。

この日は透明度が高くて20mくらいまで水中で見渡せた。

12mまで潜ったけど、耳も全然痛くならない。












4月30日 オープンウォーターコース 3/3日目

ついにオープン3日目。あっという間。

前日夜、DeepBlueの男子ドミトリーに蚊が大量発生して仕方なく外で寝た。そのせいか少し風邪っぽい感じで寝不足。

1本目の緊急浮上の練習で潜ったときに頭に締め付けられるような痛みを感じた。

ゆっくりしばらく潜ると慣れるし、水から出ると消えるんだけど、経験したことないタイプの嫌な痛み。鼻が少し詰まってるからだろうか?

これで5ポンド。70円くらい。

2本目の前の休憩で移動コシャリ屋さんを見つけて間食。

コシャリは米とパスタと豆にトマトソースかけたエジプト料理。炭水化物の化け物みたいなもん。僕はこれが大好きで、一日一コシャリを実践してる。

ダハブの移動コシャリ屋はマジで美味い。コシャリ通の僕が言うんだから間違いない。

30分の休憩の後、少し水が冷たかったからささっと潜ることに。

水中でコンパスを使う練習のあと、18mまで潜って珊瑚の森や色とりどりの魚を見て回った。水が青い。

水中浮力のコントロールも少しずつ慣れてきた。ちなみに水中浮力上手くとれず浮かんでいってしまうと、下から見てると「宇宙船に連れて行かれる」みたいな絵になってしまうので注意。

頭の痛みはこの間も継続。続行不可能ってほどではないんだけど、不快。







と、こうして大した問題もなく、ダイビングライセンス取得への道のりの半分まで辿り着いた。

しかしこの時、僕はまだ気づいていなかった・・・。僕の体に起こっている異変に・・・。そしてこれから起こる悪夢に・・・。

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